信州に「しなの鉄道」というローカル線があります。 昨年、水戸岡先生のデザインによる豪華観光列車「ろくもん」を 走らせて話題となった鉄道です。 「ろくもん」は、絶好調。 予約開始日に、だいたい、満席となってしまうので、私もまだ、 楽しんだことはありません。ひょっとしたら、この人気は、ます ますヒートアップしますので、再来年まで、乗られないかも。 なぜ、再来年か。 しなの鉄道の本社は、「上田駅」にあります。 信州上田といえば、真田幸村。真田幸村といえば、来年の大河 ドラマ「真田丸」の舞台となる地域。あの「青天の霹靂」撮影の 舞台となった上田市街が、またまた、盛り上がっています。 その、いわば聖地を走る、観光列車「ろくもん」。 人気の沸騰は、つづきます。 しかし、忘れてはならないのが、なぜ、しなの鉄道に「ろくもん」 が走ることになったのか。それは「車窓のすばらしさ」があります。 だって、軽井沢から、小諸を通って、上田、そして長野方面へと 進んでいくわけですから、景色のよさは、半端じゃない。 そこに、私が目をつけたのは4年前。毎年「ミステリーウォーク」 の開催をお願いしてきて、今年、念願をかなえていただきました。 もともと、鉄道とミステリー、謎解きは、とても相性がいい。 私は、かつて「大井川鉄道」「伊豆急行」「いすみ鉄道」で 謎解きクロスによる謎解きタイムを演出してきました。 鉄道にながれる時間は、はっきりいって、ヒマなときもある。 伊豆急行とJR東日本と下田市のコラボで実現して「黒船列車 ミステリーウォーク」は、東京駅から伊豆急下田まで5時間も かけて進む企画。 最初は「謎解き? そんなのやっているヒマあらしまへん」と つれなかった乗客のみなさんも、2時間目あたりから謎解きを スタートし、ヒントを告げに、各車両をまわる探偵@ホームズが 登場すると、拍手がわくようになりました。 鉄道には、ミステリーが、よく似合うのです。 大井川鉄道では、特別仕立てのSLを借り切って、進めました。 駅舎にヒントが掲示してあり、それをSL車内から見て、謎を といていくものです。 この謎解きクロスは、これまでなかった新しいクロスワード パズル形式のミステリーですが、間違いなく、5年後には、 鉄道で各駅停車の旅にでるときには欠かせないアイテムと なっていることでしょう。
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誰も知らなかった世界
ミステリーウォークの歴史は古く、1990年代後半、ミステリー作家の内田康夫先生が、北区(&豊島区)で始めたものが有名です。さらにさかのぼれば、1980年前後に、角川書店が「よみがえる金狼」を題材に、「黄金を探せ」というイベントをしました。私も友人とともに参加して、10万人規模の参加者のなかで、ベスト200内に入って、黄金はゲットできませんでしたが、当時、発行されたばかりの「新500円玉」を10枚、もらいました。
一方、謎解きクロスは、5年前に「いすみ市」でミステリーウォークをしていたときに、JTBの大谷さんから提案されたアイデアで「この謎解きの問題が、クロスワードにしたものは作れませんか?大好きなんです、クロスワードパズル」ということで、スタート。まず「勝浦ビッグひなまつりミステリーツアー」で使って、大好評。それを発展させて、3年前に完成させたものです。少なくとも日本では、このような「謎解きクロス」のパターンは、出現していません。
すなわち、誰も知らなかった世界なのです。クリエイターは、この「誰も知らなかった世界」を作り出すために、命をかけているわけですが、50代後半にして、私も、ようやく新世界を手に入れたということになります。(長かった)
というわけで、謎解きクロスについては、まだ、私が作った作品の数しか、世の中にありません。いずれ「謎解きクロス入門」という解説書を書きますので、謎解きクロス作家が、たくさん登場することになると思いますが、しばらくは、本サイトでしか楽しめません。実際に、ミステリーウォークとして活用されたものは「ミステリーウォーク」のコーナーで紹介しますが、それ以外にも、できれば毎週1作、ほどよい難易度の「謎解きクロス7×7」を公表していきたいと思っています。ぜひ、お楽しみください。