パズル小説®全国展開プロジェクトの「ブログ」に、こんなことを書きました。本ブログにも、転載しておきます。
日本初のパズル小説®作家の廣川州伸です。CAMPFIREのCommunityで「パズル小説®全国展開プロジェクト」を推進しています。まだまだ、会員募集中なので、読書やパズル、街おこしなどに興味関心がある方は、チェックしてみてください。
ちょっと、感じていること、書きます。
私は、コンセプトデザインを作り出す仕事をしてきたのですが、たぶん、そのルーツをたどれば、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の読書体験があると、今さらながら、思った次第。
ネタばれになるといけないので、そのストーリーを語ることはできませんが、最初に読んだときには、キツネにつままれたみたいな気分。一体、何が起きていたのだろうと思い、もう一度、初めから読みました。
何が驚きだったのか。やはり、今まで知っていた「ミステリー小説」のルールを見事に逆手にとって、これまでに成立してこなかった作品を生み出したことです。しかも、そこに「探偵」はいませんでした。
アガサ・クリスティは、「読者」を探偵の側に置き、「探偵さん、あなたはこの謎を解くことができますか?」と問うていたのです。
正解を知ったときの、驚きもまた、別格でした。「やられた」と思いつつ、だまされたことの気持ちよさもあり、自分のなかで、こりかたまっていた常識のようなものが、ガラガラと崩れていくのがわかりました。
そうか。ミステリー小説は、これでいいんだ。それが、アガサ・クリスティが教えてくれたことでした。探偵ホームズね怪盗ルパンも大好きでしたが、彼女の作品には、作家魂を刺激するコンセプトがあったのです。
ところが、ここに、中学生だった私の大いなる誤算があった。自分がミステリー小説を書くときには、少なくとも、世の中で一度も取り上げられていないアイデアの、画期的な作品にしなければいけない、と思ってしまったのです。
しかも若かったので、心の深くに、刻み込んでいました。
10代、20代と、ある意味では「アガサ・クリスティを超えるアイデア」の方向にチャレンジし、とうとう「自分にはできない」と、ちょっぴりあきらめて、実社会にでていったのが、29歳のときでした。
もし、「そして誰もいなくなった」を超えようと思わなかったら、別の作品を生み出して、文壇の端っこに拾われていたかもしれません。
チャンスは、何度かありました。
22歳のとき、ある女流作家さんと知り合ったときと、シナリオライターさんと知り合ったときも、弟子になって数年勉強すれば少なくともデビューはできたと思います。さらに進んで、25歳のときにも、弟子入りのチャンスがありました。
このころになると、文芸誌が募集するなんとか賞の一次予選は通過するようになっていました。ちなみに、当時のことですが、これは自慢することではなく、ふつうの文章が書ければ通過します。二次予選が難しく、一度も通過しませんでした。
大先生のところに通い、アルバイトとして企画と下書きの仕事を受ければ、数年後には、何とか作品を世に出すことができたと思います。
せっかく、誘っていただいたのに、「この世界に、誰も書かなかった小説を編み出す」ということにこだわった結果、飛び込んでいくことができず(もっとも、10代20代は生意気だったので、誘ってくれた作家より自分のほうが才能があると思い込んだ馬鹿者でしたが)。
ここで、みなさんが感じてくれていることがあるかもしれません。
私が、本プロジェクトで、パズル小説®の見本として世に問うミステリー風小説®が、なぜ、アガサ・クリスティのパロディの形をとっているのか。「そして誰も死ななかった」などという、面白味のないタイトルを、後生大事に守っているのか。
そうなんです。この作品は、あの不朽の名作を、アイデアレベルで、超えていこうとしています。それが、私の目時なのです。
一人では、とても太刀打ちできそうにない、この作品。でも、20人のみなさんが支えてくれれば、心が折れることなく、成し遂げられるかもしれません。
世界初は、もう決まっています。謎解きクロス®を使ったパズル小説®なんて、廣川州伸以外は、生み出せないからです。ただ、あの「そして誰もいなくなった」を超えるアイデアが、ちゃんと編み込まれているのか、そこが重要となっています。
これも、ネタばれになるから告知はできませんが、ヒントがない段階で、正解にたどりつく人は、1万人に一人。本にでているヒントで正解するのが5%。地域活性のために支援してくれているみなさんの指定する地域に配布される「ヒント」を使えば、半分の方が解けます。
1年後、2021年10月、電子出版で刊行となる「長編ミステリー風パズル小説®そして誰も死ななかった」は、そいうい作品になるのです。
仕掛けだけは、すでに出来上がっています。自分が読者だったら、度肝を抜かれる「完璧なアイデア」です。
本日の雄たけびは、ここまでとさせてください。