そのときがやってきました。
12年前、私は数人の作家さんと組み、今までになかった新しいタイプのミステリー小説をつくりたいと、提携関係にありました。ミステリーの世界では、たまに共同作業で作品が生まれることがあります。
元祖は「エラリー・クイーン」でしょうか。謎解きをするのが得意なタイプと、文章の描写が得意なタイプが手を組むことで、これまでになかった作品が生まれることになります。
その後、2006年(12年前)から、私は地域活性化のミステリーツアーの営業活動をスタート。商工会議所のお偉いさんに会って営業し続ける中、2年後の2月、ベネッセから移住交流推進機構に出向していたIさんと、隨園別館で、ちょい遅れの新年会をしていたとき「え? それ、面白い! 移住交流推進機構でプレゼンしませんか」となったのです。
プレゼンするため、10万円を支払って会員になり、100名のみなさんの前で深谷宿ミステリーツアーの仕掛けを全国に波及させたいとプレゼンすると、声をかけてくださったのが、お二人。不思議なご縁で、お二人とも、東急電鉄の方でした。
なかでも熱心だったのが、当時、宣伝部で課長をされていたIさん。その後も、Iさんは伊豆急行や上田電鉄、そして西小山のプロジェクトを推進しているTさん(当時は課長。今は執行役員をされています)もつないでくれました。
そして、石坂さんの指導をあおぎながら、地域を活性化するミステリーツアーは、100万円の助成金をいただき、静岡県と組んで、大井川鉄道ミステリーツアーを実現します。
SLを借り切り、各駅にヒントが掲示され、それを目視しながら、金井駅から終点まで進みます。その後、宿泊できる人は自腹で(近畿ツーリストさんが割引してくれました)寸又峡温泉にいき、そこでまた、謎解きをするミステリーウォークを楽しむ企画です。
助成金は100万円でしたが、もし今、大井川鉄道のSLを貸し切りにして、寸又峡温泉の宿泊をともなうミステリーウォークの企画をしたら、500万円でも難しいと思います。それだけ、楽しさ満載の、素晴らしいイベントになりました。
とともに、2008年から、伊豆下田でミステリーツアーがスタート。昨年、10回目を行ない、持続しています。ミステリーツアーの仕掛けは、地域プロデューサーのみなさんがいてくれる限り、それぞれの地域で、持続可能なビジネスモデルなのです。
そもそも、2003年にスタートした深谷宿ミステリーツアーも、すでに15周年を迎えています。私は、深谷でミステリーツアーを始めたミステリー作家の故・伊井圭さんと、松本で作家活動を続けているSさんと、三人でミステリーを書いて、推理作家協会賞をとるのが、ドリームでした。
あれから10年。謎解きクロスを開発して5年。
おかげさまで、ブレイクの時期を迎えています。そのブレイクの仕掛けの1つに、小説を書ける作家さんとのコラボがあります。私が謎解きクロスの「謎」を提供し、パズル作家になります。そして、そこで使われる「単語」を使って、楽しい小説(ミステリーとは限りません)を書いていただくというコラボ企画です。
私は、このシリーズは、10年間で100作品、累計1000万部が売れるとみています。
そこで得た資金で、私は、全国の悩める商店街に、謎解きクロスの仕掛けを投入したいと思っています。ベーシックなARの仕掛けも入れて、たとえば50万円のパッケージをつくっておき、それを「志」のある地域プロデューサーに、印税を回す形で、無償で提供するのです。
印税があれば、そんなことも可能です。
もちろん、私の作家活動を支える資金にもさせていただきますが、ベストセラーを生み出すのは、読者のみなさんであり、地域のみなさんのご支援があつてのこと。少なくとも3割は、無償提供にまわすことが、私の当初からのミッションに報いる道と思っています。
この10年、私が費やしたタイムチャージは、コンサルフィーに換算すると1億円を超えています。10円の印税で1000万部売れれば、1億円は取り戻せます。3000万円あれば、全国、60ヶ所でミステリーウォークを仕掛けることができます。
それも、これまで支えてくださったみなさまのおかげです。みなさまが住んでおられる待ちの商店街も、ぜひ、立候補してください。
きっと有効的な地域活性化策として、定着することでしょう。
本当に、感謝の気持ちはつきません。これからも、よろしくお願いいたします!