世界が整合性を持ち始めたら、停まる

謎解きクロスは、人間の営みに他なりません。

一見して、AI(人工知能)が得意なJALのような気がしますが、実際、AIでは解くこともできない。作ることは、人間の頭脳の力を借りるなら、きっと得意になる。でも、それをもう一度、問題として与えられても、「逆は必ずしも真ではない」という大原則にのっとり、たぶん解けない。

それが謎解きクロスの構造なのです。

で、先ほどまで感じていたこと。世界は不条理で満ちている。だからこそ、論理的に物事を考え、そこからズレていることと、ズレていないことを区分けしながら、進んでいくのです。

ところで、世界が明確に「わかる」ことは、たぶん、人間を不幸にする。なぜ、そんなことを考えたのか。

だって、世界の構造がわかれば、自分がなぜ、死んでしまうことになるのか、そのメカニズムもよくわかる。

すると、寂しさに襲われ、生きる気力をなくすことになります。だから、知らないほうがいい。

ついにいく

みちとはかねて

ききしかど

昨日今日とは

おもわざりしを

というように「あ、今日だったのか」と気づいたときには、もうあきらめるしかなく、運命に従うのに、一日しかないという緊迫した状況で、迎える死。

それが理想?

謎解きクロスが全国に普及するまでは、世界の整合性については、考えないことにしましょう。

 

パズル作家になります

そのときがやってきました。

12年前、私は数人の作家さんと組み、今までになかった新しいタイプのミステリー小説をつくりたいと、提携関係にありました。ミステリーの世界では、たまに共同作業で作品が生まれることがあります。

元祖は「エラリー・クイーン」でしょうか。謎解きをするのが得意なタイプと、文章の描写が得意なタイプが手を組むことで、これまでになかった作品が生まれることになります。

その後、2006年(12年前)から、私は地域活性化のミステリーツアーの営業活動をスタート。商工会議所のお偉いさんに会って営業し続ける中、2年後の2月、ベネッセから移住交流推進機構に出向していたIさんと、隨園別館で、ちょい遅れの新年会をしていたとき「え? それ、面白い! 移住交流推進機構でプレゼンしませんか」となったのです。

プレゼンするため、10万円を支払って会員になり、100名のみなさんの前で深谷宿ミステリーツアーの仕掛けを全国に波及させたいとプレゼンすると、声をかけてくださったのが、お二人。不思議なご縁で、お二人とも、東急電鉄の方でした。

なかでも熱心だったのが、当時、宣伝部で課長をされていたIさん。その後も、Iさんは伊豆急行や上田電鉄、そして西小山のプロジェクトを推進しているTさん(当時は課長。今は執行役員をされています)もつないでくれました。

そして、石坂さんの指導をあおぎながら、地域を活性化するミステリーツアーは、100万円の助成金をいただき、静岡県と組んで、大井川鉄道ミステリーツアーを実現します。

SLを借り切り、各駅にヒントが掲示され、それを目視しながら、金井駅から終点まで進みます。その後、宿泊できる人は自腹で(近畿ツーリストさんが割引してくれました)寸又峡温泉にいき、そこでまた、謎解きをするミステリーウォークを楽しむ企画です。

助成金は100万円でしたが、もし今、大井川鉄道のSLを貸し切りにして、寸又峡温泉の宿泊をともなうミステリーウォークの企画をしたら、500万円でも難しいと思います。それだけ、楽しさ満載の、素晴らしいイベントになりました。

とともに、2008年から、伊豆下田でミステリーツアーがスタート。昨年、10回目を行ない、持続しています。ミステリーツアーの仕掛けは、地域プロデューサーのみなさんがいてくれる限り、それぞれの地域で、持続可能なビジネスモデルなのです。

そもそも、2003年にスタートした深谷宿ミステリーツアーも、すでに15周年を迎えています。私は、深谷でミステリーツアーを始めたミステリー作家の故・伊井圭さんと、松本で作家活動を続けているSさんと、三人でミステリーを書いて、推理作家協会賞をとるのが、ドリームでした。

あれから10年。謎解きクロスを開発して5年。

おかげさまで、ブレイクの時期を迎えています。そのブレイクの仕掛けの1つに、小説を書ける作家さんとのコラボがあります。私が謎解きクロスの「謎」を提供し、パズル作家になります。そして、そこで使われる「単語」を使って、楽しい小説(ミステリーとは限りません)を書いていただくというコラボ企画です。

私は、このシリーズは、10年間で100作品、累計1000万部が売れるとみています。

そこで得た資金で、私は、全国の悩める商店街に、謎解きクロスの仕掛けを投入したいと思っています。ベーシックなARの仕掛けも入れて、たとえば50万円のパッケージをつくっておき、それを「志」のある地域プロデューサーに、印税を回す形で、無償で提供するのです。

印税があれば、そんなことも可能です。

もちろん、私の作家活動を支える資金にもさせていただきますが、ベストセラーを生み出すのは、読者のみなさんであり、地域のみなさんのご支援があつてのこと。少なくとも3割は、無償提供にまわすことが、私の当初からのミッションに報いる道と思っています。

この10年、私が費やしたタイムチャージは、コンサルフィーに換算すると1億円を超えています。10円の印税で1000万部売れれば、1億円は取り戻せます。3000万円あれば、全国、60ヶ所でミステリーウォークを仕掛けることができます。

それも、これまで支えてくださったみなさまのおかげです。みなさまが住んでおられる待ちの商店街も、ぜひ、立候補してください。

きっと有効的な地域活性化策として、定着することでしょう。

本当に、感謝の気持ちはつきません。これからも、よろしくお願いいたします!

 

AR(拡張現実)事始め

謎解きクロスは、2018年の夏から、新展開に入ります。

謎解きクロスは、地域活性化のために企画するミステリーウォークの「謎解き」部分をスムーズにできるようにして、作るほうも解くほうも「あ、これって謎解きクロス!」と理解し、楽しめるように体系を構築したものです。

特許庁に相談に行ったら、オープンにしていなければ(実用新案よりも強い)特許になった案件と言っていただきました。ただし、『7×7』と『9×9』についてです。さすがに『5×5』は、誰でも思いつくなぁと却下されましたが。

では、特許にならないとして、知的財産としてはどう守るのか。「あなたの作品そのものが著作物なので、謎解きクロスと同じ構造のミステリーなり小説なりの『著作物』をつくると、当然ながら著作権法に違反するので、真似はできないとのことでした。

もちろん、私は謎解きクロスそのもので、大儲けしようとは考えていません。商標登録をしたのも、誰かに使用を止められないように守っただけで、ちゃんと私に許可をとっていただければ、普及を優先するため、地域活性化の目的を達成するため、喜んで使用許諾をすることになります。

謎解きクロスは、廣川州伸が生まれなければ存在しなかったアイデアだが、今では日本全国に波及している、という事実が重要なのです。

 

 

で、そんな謎解きクロスですが、スターティアラボ社さんが「発見」してくださり、彼らが進めているAR(拡張現実)のプラットフォーム、アプリケーションとともに、全国の地域活性化のために、コラボしようと提案してくれたのです。

「あ、いよいよなんだ」

それが私の第一印象。スターティアラボ社が、謎解きクロスを使って、街を刺激し、街歩きをうながし、そして街歩きが大好きなみなさんに、地域の魅力を引き出すコンテンツをつくる。そのときに、ARと謎解きクロスがコラボすることで、これまで課題となっていた「地域で運営する人の手間が大変」というボトルネックを、きっと解消してくれる。

だって、スターティアラボ社のAR(拡張現実)のAP(アプリケーション)は秀逸で、すでに多くの企業が採用し、地域イベントでも活用されているから。

そこに、新たな謎解きクロスのコンテンツが加わることで、さらにわくわく、楽しめるコンテンツが誕生することでしょう。

記者会見したいくらい、ステキなコラボです。

謎解きクロスの欠点は、廣川州伸が単独で進めていた点。普及のスピードが、ものすごく遅いのです。そこが、すでにインフラもAPもできているスターティアラボ社と、一緒に仕事をさせていただくことで、地域活性化の夢は、大きく広がり、いよいよ全国で、元気になる街が増えるという好循環が始まることになります。

これまで、単独で進めてきた謎解きクロス。まだ海のものとも山のものともわからなかった謎解きクロスを採用し、活用してくれたみなさんに、深く感謝いたします。

この夏、そして秋。謎解きクロス&拡張現実で、地域は輝きます。ご期待ください。

 

新天地に向かいます

いよいよ、始まります。

謎解きクロスによるミステリーウォークは、とっても、とってもアナログの世界でした。だって、作者の私が、典型的なアナログ人間だから。デジタルの恩恵は享受しながら、いつもいつも、アナログ的な感性で生きてきました。

世界は、謎でみちている。謎解きは、文脈を発見すること。その文脈こそ、アナログ人間の神髄なのです。このホームページをみて、トップページに文章があるだけで「あ、このサイトは、ダメですね。今の若い人は、誰も文章を横ませんから。せめてツイッターの文字数にしてくれなければ。できれば、難しい内容は、ビデオで説明してください」という貴重なアドバイスをもらったりします。

でも、私は、そんな世界に生きているわけではありません。文章が好きな人、クロスワードパズルが好きな人、文脈を読み取るのが好きな人、簡単にわかる、直観だけで生きているAIのような人ではなく(みなさん、あまり知らないのですがAIは、論理的な推論が苦手で、統計的な推論にたよっているのですが)ちゃんと、ものごとの裏にある「謎」を解明したい衝動にかられる人を、ターム゜っとにしています。

本なんて、読まないという人は、そもそも、クロスワードパズルはしないでしょう。ミステリー小説が長手な人に、いくらアガサクリスティの素晴らしさを説いても、「何のこっちゃ」ということになります。

謎解きクロスによる街歩きも、そもそも「ひらがな」を知らない人には「南のこっちゃ」でした、パンフレットの案内を読みたくない人には、無縁な世界なのです。

それは、それで仕方のないこと。私は、すべての人に、謎解きクロスを楽しんでほしいとは思っていません。かついっても別に資格が必要なわけでもありません。ふつうに、日本語の本を読んで、楽しいなぁと思う人が、母集団。だから、ときどき「あ、本は要りません。パズルだけ、つくって」ということもありますが、それは、私の仕事ではありません。

世界は、いろいろな謎でできています。その謎を知るために、たとえばドラマとか映画とかを観る。それはそれで、貴重な体験です。でも、私がターゲットにしてきたのは、「本を読む人々」だったのです。

ところが。本当に、ところが、なのです。

最近、ステキな出逢いがありました。それはAR(拡張現実)との出逢いになります。

謎解きクロスと、ARが融合する可能性がでてきました。これは、スゴイことです。世界が、変わります。街歩きの形が、変わります。私のしてきたミステリーウォークの仕掛けが、大きく変わるチャンスがきています。とともに、実は、私の描く謎解きクロスのミステリー勝勢も、いよいよ、現実社会とコラボした、誰も書かなかった世界に進み始めていることになります。

スゴイ。だって、私の描いた謎解きクロスのミステリー小説を持って街を歩くと、スマホに、さまざまなヒントが、画像や文章や動画、アニメなどで提示されるのですから。

そのことについては、もう少ししたら、しっかり書きましょう。