謎解きクロス開発物語<7>

謎解きクロスは、ミステリーウォークの問題を作成するときに、「誰も死なない」ことによる興味関心の欠如を補い、本格推理小説のように「謎解きの楽しさ」を際立たせることを目的として、生まれました。

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2008年の秋に、赤坂サカスで行われたミステリーウォークの実証実験では、赤坂という文字をローマ字にしたときにAKASAKAと、たまたまローマ字の回文となっていたことから、謎解きのベースを作りました。

これは、これなりに評価は高く、ローマ字の回文だったとわかったときには「凄い!」という絶賛の声も多々、いただきました。それで、ローマ字の回文になる言葉の「辞書」をつくり、これでミステリーウォークの小冊子をシリーズ化できると、大いに期待したのです。

シリーズ化に際しては、一つ、工夫をしました。

実は、ミステリーの小冊子の原稿は、最初は放送作家の源高志さんに書いてもらっていました。伊豆下田では、小冊子までいかなかったので、私が書いたのですが、翌年に実施した西小山ミステリーツアー(当初はツアーと呼んでいました)では、源さんと二人で西小山を取材し(すなわち昼間から飲み歩き)原稿を委託していたのです。

しかし、よくよく考えると、AKASAKAなどのローマ字回文を使った謎解きと、ミステリー小冊子がリンクしていません。ミステリーも、ローマ字回文で進められたほうが、楽しいはず。

そう考えて、2010年からは、ローマ字回文を使った謎解きのミステリーウォークがスタートしたのです。それが、前にふれましたが、かつうらビッグひな祭りでの「クロスワードパズルを使った謎解き」につながるのです。

そして、私がミステリーの原稿を書くときに、いくつか、決めたことがあります。私は、ビジネス書は30冊ほど書かせていただきましたが、小説では「いつも予選落ち」という、さみしい人生をへてきた人間。たぶん20回くらい応募して、一次予選通過が数回あるくらいで、結果がついてこなかった。ジャンルは純文学からエンターテインメントまで。

もっとも、たとえばキャッチコピーとか、兵庫とか、アイデアとか、ショートショートのようなものは、逆に常連といえるくらい、絶賛されていたりもしました。ただ、小説の壁が高く、厚く、いつも門前払い。

でも、ミステリーについては、何となく「書ける」という自信がありました。というのもトリックや謎解きについては、アイデアが無尽蔵にわいてくるからです。ほとんどが、すでに世に出ているものを、自分の脳だけで作り出したケースなんですが、1000に3つくらい、オリジナルのアイデアもありました。実用新案登録をしたことも、二十歳のころですが、ありました。若気の至りでもあったのですが。

ちょっと脱線しました。

私が「誰も死なないミステリー」を書くとしたら、こうしようという決め事がありました。

①舞台は、日本橋の雑居ビルにある「探偵@ホームズ事務所」です。

②いつも、スタートは「大変だ~」から始まり、仮眠をとっていた池野所長を、助手が揺り起こすところから始まります。

③謎解きのパターンは、いつも一緒。最初は「ローマ字の回文」でしたが、「クロスワードを解く」という謎解きになり、これからつくるミステリーはすべて「謎解きクロス」のパターンとなります。

そうです。私はミステリー作家ではありません。そういう人間が、小説を書くのですから、これまで発表されてきた、どんなミステリーとも被らない、オリジナリティが必要となります。

今、日本に推理作家は約500人。そのうち、小説を発表することで食べていける推理作家は1割の50人といわれています。そのみなさんの経済基盤をゆるがすのは、本意ではありません。そのみなさんにも、大いに活躍してほしい。ただ、小説という世界、業界は、明らかに、血で血を洗うレッドオーシャン。

私は、本業はコンセプトデザインの制作。すなわち新規事業開発専門のコンサルタントをしているのですが、新規の場合は、レッドオーシャンは勧めません。まだ、だれも踏み込んだことのない、ブルーオーシャンに漕ぎ出していくことを勧めるのです。そのときに、コンセプトデザインが重要になります。

謎解きクロスは、ブルーオーシャンに進む、コンセプトデザインなのです。

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私の書くミステリーは、今までの推理作家さんが書かなかった、地域に根差した物語です。だから、地域活性化に役立つのです。

その特長は、さらに加えれば、こうなります。

④実在する地域と、そこで生きるリアルな商店街などがモチーフとなります。容疑者も実在すれば、真犯人も実在します。ただ、誰も死なないミステリーなので、容疑者は地域活性化を推進する人ですし、真犯人は、とってもいい人になっています。

⑤謎解きの解答は、地域のみなさんが決めることができます。謎解きクロスは、当然ながら「解答」から問題を作成するわけですが、その「解答」を、地域のみなさんが決められるという仕掛けが、当然ながら、このモデルの最高の利点なのです。

ということで、謎解きクロスによるミステリーウォークでは、出だしはいつも、こんな感じで進みます。

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ある晴れた日の昼下がり。

「大変だ! 池野所長、これを見てください!」

という叫び声が上がった。

そこは東京の日本橋にある雑居ビルの一室。玄関には『探偵@ホームズ』という看板がかかっている。

もっとも探偵といっても、その事務所では殺人などの凶悪事件や、夫婦ゲンカなどのややこしい出来事を調べることはしない。彼らの専門は文化や歴史、自然、人間の魅力が失われたという難事件を解決することだ。

「また、解答@ルパンから挑戦状がきています!」

アルバイトの伊藤君は、所長に封書を見せた。

「これは、確かに解答@ルパンのメッセージだ」

便箋には胡蝶【蘭(らん)】(縦3)のマークが押されていた。それは解答@ルパンのメッセージが本物であることを証明している。二人は、無二の親友なのである。

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登場人物には、途中から「解答@ルパン」も入ってきました。これは、やはり謎解きを楽しくするための仕掛けです。

さて、ここまで書いてきたことが、謎解きクロスによる「ミステリーウォーク」の、おおまかな歴史と、その考え方となります。

ところが、この謎解きクロスの開発物語は、ここで終わりません。なぜなら、ミステリーウォークを出自としている謎解きクロスなんですが、これまで誰もアプローチしてこなかったブルーオーシャンの世界ゆえに、ミステリーウォークを離れて、謎解きクロスそのものが、一人立ちできる可能性に気付いたからです。

その物語は、2年前の冬、高円寺で福田さんに会ったことから始まります。そう、この謎解きクロスのサイトを作成してくれている、ふくちゃんです。

つづきは、また次回に。

謎解きクロス開発物語<6>

謎解きクロスは、ミステリーウォークを支えるミステリーの「謎解き」部分を担っています。そもそもの出自が、ミステリーウォークであり、何かオリジナリティのある謎解きを創造したい、という思いが原点にあります。

というのも、私が勧めているミステリーウォークでは、ミステリーなのに「誰も死なない」のですから。誰も死なないにもかかわらず、本格ミステリーの醍醐味を味わっていただきたい。そういう「シバリ」のなかから生まれたパズルが、謎解きクロスなのですね。

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ちなみに、ミステリーなのに何故、誰もしなないのか。それは、地域活性化を目的に企画展開するのが、ミステリーウォークだからです。

私がミステリーウォークをスタートさせたのは、2008年の秋。赤坂サカスで、まず、試験的にやってみました。それが好評だったことと、移住交流推進機構の補助金事業に選んでいただいたこともあり、第1回ミステリーへウォークは「伊豆下田」で始まりました。このときの「謎」は、アルファベットの謎解きでした。

たまたま、赤坂サカスで、謎解きをしたわけですが、その解答を「AKASAKA」にしようと思いついたのです。

AKASAKAは、ローマ字の「回文」になっています。

この「ローマ字の回文」を使った謎解きによるミステリーウォークは、2008年から2013年まで続きました。そして、謎解きクロスが誕生すると、実際に解いている参加者のみなさんから「面白い!」という励ましの言葉を、ローマ字回文の10倍くらいいただけるようになり、「イケル」と判断したのです。

でも、ローマ字回文も、捨てたわけではないのです。その証拠に、2016年の目黒区でのミステリーウォークの小冊子の問題で、下記のように復活しています。

※以下、お楽しみください。

 

学芸大学にある目黒商店街連合会の事務所では、スマにゃんが見守るなか、「のんびりイベント散歩」で配布されたミステリー小冊子の正解者から賞品を授与するための抽選会が開かれていた。

机の上には、解答@ルパンから送られてきた「最後のヒント」が載せられている。

◆解答@ルパンからきた問題文

晩秋の『朝』のこと。目黒川のほとりで誰かが『アハハ』と笑った。窓から外を見たボクは『息』を飲んだ。彼女は『伊豆路』の恋という映画に出ていた女優。ここで店を開いて何かを『売る』らしい。

『あ』思い出した。彼女の名前は『あやや』だ。レポーターから質問されるたびに『アラ』と小首を傾げる。海辺ロケをして海に入り『行こう、沖』と誘うひと。

出したDVDを確実に『売り切る』人気は変わらない。趣味を聞かれ『なぜ掛け算』と答えてしまったか。生まれが『赤坂』であることと関係しているかもしれない。

探偵@ホームズの池野所長は、伊藤君が容易してくれたパネルを見せて、謎解きをする。

◇晩秋の『ASA』のこと

◇目黒川のほとりで誰かが『AHAHA』と笑った

◇窓から外を覗いたボクは『IKI』を飲んだ

◇たしか『IZUZI』の恋とかいう映画に出ていた

◇彼女のDVDを『URU』らしい

◇考えているうち……『A』思い出した

◇彼女の名前は『AYAYA』だった

◇質問されるたびに『ARA』と小首を傾げる

◇海に入って『IKOUOKI』と誘うひと

◇DVDを確実に『URIKIRU』人気は変わらない

◇趣味を聞かれ『NAZEKAKEZAN』

◇生まれが『AKASAKA』と関係している

池野所長は、目黒六人衆に語りかけた。

「みなさんが語られた言葉を、ただ集めるだけでは謎は解けません。この解答@ルパンの謎が解けなければ、真犯人までたどり着くことは難しい。そこで私がこの場で解きましたから、参考にしてください」

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と、こんな感じです。

さて、ここに至って「池野所長」が登場しました。誰もしなないミステリーウォークでは、冒頭で、池野所長が、必ず登場します。

そう、出だしは、いつもきまっているのです。

これについては、次回に謎解きをしていきます。

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こちらの女性は姉妹。謎解きクロスの大ファンで、のんびりイベント散歩をチェックしている私をみつけて「ひょっとして、作者の方では?」と声をかけていただきました。とてもうれしかったです。

謎解きクロス開発物語<5>

謎解きクロスは、日々、進化しています。

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開発物語を書いておかなければと思い立ったのが、1月。今は2月の中旬ですが、一つ、大きなチャンスがめぐってきました。チャンスというのは、ミステリーウォークの新展開と、1万人以上のみなさんに、謎解きクロスを「読み物(エッセイ)」として、呼んでいただけるチャンスがきたということです。

本来、ミステリーウォークは地域活性化、謎解きクロスは、そのミステリーを支援する謎解きの仕掛けというポジショニング。ところが、ミステリーウォークは、地域のみなさんからお金をいただくことが、大変難しいために、そうそう、多くの地点での実行はできません。

なもので、どこかで利益を出さなければ、この謎解きクロスで地域活性化を進めるというコンセプトは、破たんします。個人のポケットマネーでは限界があるのです。

そこで、商工会議所さんや、商店街連合会さんなどに支援していただいているわけですが、それでも、けっこう原稿料をいただくのが、しのびない状況。

そこで、原稿料を自分で稼いでしまおうというのが、この謎解きクロスの目論見です。

では、どうしたら、稼げるのか。

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もちろん、本を出して、印税という形が一番スッキリするでしょう。

というわけでね謎解きクロスは、いよいよ本になる段階に近づいてきました。

謎解きクロス開発物語<4>

みなさん、お元気ですか?

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謎解きクロスが、ミステリーウォークの「謎」になり、けっこう一般のみなさんに受け入れてもらえるということは、実際の現場で、やつてみて実感できました。

ただ、2015年までの段階では、ミステリーが好きで、謎解きが好きなみなさんには「とても受ける」ということがわかっていても、一般のみなさんが、これから謎解きクロスのファンになつてくれるのか、自信はまったくありませんでした。

正直な話、謎解きクロスが、ミステリーウォークを離れても成立する、すなわち「本になる」ことの確信がもてちのは、2015年に、朝日新聞社のOさんから

「この謎解きクロスを、夏目漱石の こころ を使ってできませんか?」

と指摘され、1年以上、つらつらとチャレンジしたあげく、2016年の12月、歩きながら考えているときに「あ、そうか」と、突然、ふってほいたように理解したことによります。

私は、謎解きクロスが「言葉のジグゾーパズル」ということを、突然に思いつきました。それがわかってしまうと、謎解きクロスの新しい可能性がみえてきました。すなわち、「記号」はなくして、言葉をゴシックにして本文と区別させ、それを、謎解きクロスのフレームに「平仮名」ないし「片仮名」で、はめこんでいくゲームだったのです。

そして、ジクゾーパズルに、一定数のファンがいるように、この謎解きクロスを、言葉の破片を埋めていって、一つの世界を構築し、クロスワードパズルを解くというプロセスにも、絶対に、面白い、楽しい、わくわくする人がいるに違いないと、確信したのです。

すると、これも突然なのですが、夏目漱石の「こころ」も、2015年には謎解きクロスの問題にすることはできなかったのですが、言葉のジグゾーパズルとしてとらえれば、ちょっとした工夫をすれば、できることに気づいたのです。

そうして、進めた結果、黄金の「謎解きクロス」のパターンが完成しました。

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そして今、この黄金のパターンをもって、新たな展開を模索しています。

 

 

謎解きクロス開発物語<3>

引き続き、開発物語。

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謎解きクロスのフレームは3種類あり、いずれも左右&上下対称のクロスワード空間になっています。

一辺の文字数が「5文字」「7文字」「9文字」の3種類です。

開発のプロセスとしては、まず「7文字」で作成しました。それを続けているうちに、「9文字」のフレームを考えてみたのですが、なかなか制作が難しく、「どうしてもできない場合」が発生しました。

というのも、最初は、いわゆるクロスワードパズルのルールにしたがって言葉の欠片は「名詞」に限定していたからです。解答を最初に考え、基本的なキーワードを2種類考えます。

キーワードはフレームが「7文字」の場合は「5文字」、フレームが「9文字」の場合は「7文字」です。

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キーワードとABCDEなどの解答を決めてしまうと、謎解きクロス9×9の場合は、どうしてもできない、名詞だけでは。

そこで「必ずしも名詞とは限りません」という注釈が入るようになりました。

以下、次回に。

謎解きクロス開発物語<2>

謎解きクロスのアイデアは、JTBの大谷さんの言葉にさかのぼります。

2009年の秋も深まったころ。私と大谷さんは、いすみ市に打ち合わせにいく車中。外房線内で、大谷さんから

「ぼくはクロスワードパズルが大好きなんですが、ミステリーウォークのヒントに、クロスワードパズルを使えませんか?」

と提案をいただきました。そして「かつうらビッグひな祭り」で、暗号としてクロスワードを使い、若いみなさんから「面白い!」という声をたくさんいただきました。それで私は、調子に乗ったのです。

その数日後、京都に講演が入っていて、大きな書店(旭屋か丸善)で、クロスワードパズルの作り方という、分厚い本を買いました。海外の著書を、日本語のクロスワードパズルの本に変換した、画期的な、分厚い、たしか4000円くらいした本です。

そこで得たヒントをもとに、試行錯誤を続けているうちに、謎解きクロスのアイデアが浮かびました。7×7の原型ができるまで、半年ほどかかりました。

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その間、2011年6月に、二コリさんの「クロスワード辞典」という名著を16000円で購入しています。もちろん中古ですが「ほぼ新品」の状態でした。

そして、研究が始まります。その成果を、最初にミステリーウォークに応用したのは、2012年3月に行われた「伊豆下田ミステリーウォーク」(当時はまだウォークではなくツアーと呼んでいましたが)です。

※謎解きクロス「マルタの謎」編です。

その後、2013年から「西小山ミステリーウォーク」(やはりツアーの名称でしたが)の小冊子に「謎解きクロス」が登場します。

それが、2014年の商標登録につながります。

ここでラッキーだったことは、謎解きクロスをオープンにしていなかったことです。ブログなどで公開していると、特許庁のネット検索で「すでに広まっている」とされてしまい、商標の登録ができません。

かつて、「ビジネス作家」で商標登録の出願をしたことがあり、そのとき拒絶理由として「ビジネス作家」という言葉が、ここに使われているという資料が提示されました。そのいずれも、廣川州伸が書いたサイトの文章です。

自分でネットで公表しているので、自分で保護したいという主張をしましたが、詳細に調べていくと、ビジネス作家という言葉は、私の友人である週末の達人・小石雄一さんの造語だとわかります。というわけで、断念しました。

一方、これは蛇足ですが、コンセプトデザイン研究所は、他社から商標登録の申請がなされて、私がコンセプトデザイン研究所で書籍を何冊か出しているにもかかわらず、登録されてしまいました。

もう、使ません。

ただ、特許庁と法務省に問い合わせて

「合資会社コンセプトデザイン研究所」なら大丈夫なので、これから、その名称で法人活動をしましょう、と指導をいただいてます。

コンセプトデザインのドメインを保有している私なんですが、コンセプトデザイン研究所の名前を使うと、訴えられてしまうのです。

1990年から使っているコンセプトデザイン研究所。それを6年ほど前に商標登録されてしまったわけですが、特許庁スタッフさんの話では「すでに許可されてしまったので仕方ありませんが、本来、通してはいけない商標でした。そこで最近、誰かがインターネットで公表している商標については、登録できないようにしています。今日の基準では、コンセプトデザイン研究所は通りません」とのこと。

脇道にそれましたが、ネットに出すということは、すでに「公知」されているとみなされます。「謎解きカフェ」はNGで「謎解きクロス」が通ったのは、謎解きクロスが、印刷物、しかもコピーして配布した問題として使われていたからです。

また、西小山ミステリーウォーク2013の小冊子で搭乗した謎解きクロスですが、こちれも印刷物なので、特許庁が苦手なジャンル。いちいち、すべての印刷物を調べるなんてできませんから、

インターネット検索で、引っかからなければ、大丈夫なんです。

もっとも誰かが西小山ミステリーウォークについてネットで書いて、そこで何度も「謎解きクロス」が面白いとほめていたら、まずかったかもしれません。

こうして、2013年3月、謎解きクロスは誕生しました。

今回は、ここまでにしておきます。謎解きクロスは今、完成形となっています。そこにいくまでには、もう少し、試行錯誤が続きました。

謎解きクロス開発物語<1>商標登録

謎解きクロスとは何か。まったく新しいペンシルパズルなので、解説が必要です。

これから少しずつ、謎解きクロスの歴史をご紹介するとともに、開発プロセスのトピックもご紹介しましょう。

今回は、商標登録について期しておきます。

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「謎解きクロス」の商標登録は、2014年の年頭に提出され、2014年7月に登録の手続きが終了しています。

すなわち、2013年の段階では、「謎解きクロス」というネーミングを使っている人は、だれも居なかったということです。

逆に、2016年の年始に出願された「謎解きカフェ」は、すでに一般のネーミングとして活用されていることを理由に、2016年7月に「拒絶理由」を受け、12月に、決定しました。

謎解きカフェの場合、「拒絶された」ことが何を意味するかというと、誰もが「謎解きカフェ」という名前を、たとえば「クロスワードパズル」のように、「ジグゾーパズル」のように、使ってもいいし、それによって特定の誰かさんに訴えられることはない、ということです。

この「使っていい」ということと「訴えられない」ということが重要。

私は、数万円と数日間を使って「謎解きカフェ」の商標登録ができるかどうか申請して確認したわけですが、その目的は、まさに「使っていい」「使っても訴えられない」ことを実現するためでした。

すなわち、私は、目的を達したのです。

それで、本サイトにも「謎解きカフェ」のコーナーができました。また私は、インターネットサイトで「謎解きカフェ」に関するいくつかのドメインを持っていますが、「謎解きカフ.com}とか「nazotokicafe.com」そして、たとえば沖縄でも独自に展開してほしいから「謎解きカフェ.okinawa」のドメインも登録してあります。

これらは、投資額とすれば、年間数万円にすぎませんが、すべて「自由に進めたいときに、進められる権利」がほしいからです。

せっかく、新しいことを始めようというときに、あちこち、誰かが利権を主張し、調整が必要になってくると、勢いがつきません。

「謎解きクロス」も、同様です。

今、謎解きクロス作家は、世界中で廣川州伸しかいません。しかし、たぶん東京オリンピックのころには、数人がチャレンジしています。

だって、100万人が、謎解きクロスを楽しみに待っている状況が生まれたら、問題を提示しつづける義務があるわけで、とても私一人で対応できる世界ではありません。

その状況で、「謎解きクロス」の名前を使わないでほしいと訴えられることは、もう絶対に、なくなりました。

もちろん、私は、誰かが「謎解きクロス」の名前を使ったときに、それでお金をいただこうとは思っていません。

ただ「あれは、廣川さんのコンセプトデザインだ」と、ちょっとだけ意識して、大切にしてほしいのです。

謎解きクロスは、私の子どもであり、宝物なのですから。

謎解きクロスの開発物語

謎解きクロスファンのみなさん、お元気ですか?

世界は、謎で満ちています。何故を問うことは、きっと人生を豊かにするでしょう。

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これから、謎解きクロスの開発物語を、少しずつアップしていきたいと思います。そう、たぶん、年内に発刊する 謎解きクロス入門 という本のために。

謎解きクロスは、地域活性化のために進めていたミステリーウォークの問題として生まれました。

千葉県の、いすみ市でミステリーウォークを進めたときに、謎解きの問題を、クロスワードパズルにできないか? と、JTBの大谷さんから、指摘されました。そこで、チャレンジしたことから、謎解きクロスは、スタートしたのです。

以下、次回に。