週末にはパズル小説®を解こう

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そうなることが、私の、ささやかな夢なんです。全国で、私の創作したパズル小説®を、楽しみながら「うーん、難しい」なんていいながら、でも「解けたらにっこりしてくれる」人が、どこかにいる。そういう世界に生きることができたら、何と素晴らしい人生だろうと、しっかりと夢として意識したのは、おそらく18歳の誕生日。

ガロアにもアインシュタインにもなれなかった私は、それでも生きる意味があるのかと思って、暗い穴の底で、孤独につつまれていたわけですが、そこに光を指してくれたのが、ドストエフスキーでした。あ、小説を書いて生きればいいんだ。まだ、世界にはやりたいことがあった、と思えた18歳の私。

何と、あれから46年。なんという歳月なのでしょう。うっかりすると、生まれた子どもが家庭を持って、コロナに侵されて亡くなってしまうくらいの歳月です。何か、自分のつくったもので、世界を楽しくしたい。「あ、生きていても、いいんだ。人生、捨てたものではないなぁ」などと、感じながら、生きることをあきらめない。そんな人が、一人でもいたら、作家は勇気を持てるのです。

というわけで、週末は、一つ、謎解きクロス®によるパズル小説®をつくります。今、日本のなかにあって、パズル小説を書いている人は、間違いなく、廣川州伸以外には、いません。たとえばガロアが、群論という新しい数学の枠組みを開発し、それで未解決の問題を解いていたときには、その手法を使っていたのは、ガロア一人。アインシュタインが一般相対性理論を考えていたときに、光の進路が重力で曲がる世界を描いていたのは、世界に、彼一人でした。

謎解きクロス®が、どこまで進化し、どこまで普及するかはわかりませんが、少なくとも伊豆下田で、東京西小山で、渋谷近辺で、信州上田、須坂、福島の喜多方や、そして群馬の下仁田で、パズル小説®が受け入れられて、小冊子として一般のみなさんの手元にわたったという事実は、本当に、心を強くしてくれます。

私は、ようやくパズル小説®作家になりました。毎日、自分で自分をほめてあげている状態ですが、この初心を忘れず、いつまでも、少しでもみなさんに楽しんでいただけるパズル小説®を生み出すため、日夜、執筆をつづけます。

2020年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : wpmaster