■第3章・扉(表)
■コラム(謎解きクロス)②
■出逢いのとき
二人が出逢った渚でのこと。花嫁は靴を脱いで裸足になり、砂浜を走った。踵が痛くなったが、そのときの経験はどんな出来事よりも印象的だった。理屈では説明できないが、幸せのモリサシで測れる範囲をこえていたのである。
彼は、いきなり交際を申し込んだ。貴女が隣りにいてくれたら何もいらない……。
それは大河ドラマのように、波乱万丈の未来に続いた。いくつかの四季を経て教会の鐘が鳴りひびき、披露宴となる。花婿への祝辞は、他の案もあったのだろうが、よくできた孝行息子への賛辞として「トンビが鷹を生んだ」という話が多かった。
花嫁は気品あるウェディングドレスを脱ぎ、明日から長い旅にでる。ズタ袋には、少しのお金と、たくさんの夢をつめこんで歩き始めた。二人は家庭の習慣という垣根を超え、メリハリのある人生を送ることだろう。花嫁は、母に言われた。
「たとえ倦怠期がきても、大好きなクイズ番組でも見ながら、笑い合うのよ」
気長に待ち続ければ、幸せを照らす明かりは消えることはないのだから。
「粋な人だったと言われる、確かな証(あかし)となる道を、二人で歩んでいく。
※問題編を読み、キーワード(書体がゴシック)となる言葉を平仮名にして、次ページにある記入欄のマス目を埋めてください。そのピースは、名詞とは限りません。