謎解きファンのみなさん、お元気ですか?
本日は、大好きな深谷に伺い、1ヶ月後に行われる「深谷宿ミステリーツアー2017」の原稿作成のため、「若女将」の8人にお会いし、写真撮影と「30秒で語るヒント」の収録をしてきました。
そこで、最高にうれしい出来事があり、自信を深めるとともに「感謝の気持ち」でいっぱいになりました。そのことを記しておきます。
地域活性化でミステリーウォークを進める場合、謎解きクロスの5×5は無償で提供できますが、原稿作成に関しては、お金をいただきます。ただ、というわけにはいかないのです。
そのお金がかかるということに関して、地域の「管理職」のみなさんから「費用対効果がない」との批判があります。びっくりするほどの廉価なんですが、お金を払うというときには「それで、何人来たんだ?」「売上は伸びたのか?」などという質問がとびかうようです。そのようなモノサシを当てて判断される土俵にのるつもりはありませんので、そんなときは、即刻、撤退するのですが。
で、深谷宿ミステリーツアーのことに戻ります。
このイベントは、2003年から行われています。渋沢栄一氏を生んだ深谷の商工会議所さんが主催してくれるので、持続できたのです。私は、創始者のミステリー作家伊井圭さんの後をうけて、2017年で3回目となる小冊子の発刊に挑んでいるわけです。
その内容は、初級編として、地域の17ヶ所のヒントポイントを歩き、そこに掲示してあるヒントから、17文字の解答を導くものです。これは、時間を競うわけではないので、小学生から高齢者まで、ベビーカーを押したファミリー、カップル、もちろん単独参加もOKという、幅広い参加者が楽しめるイベントです。
そして、ゴールしたらミステリー小冊子がもらえます。これは、ミステリーなのに誰もしなない、でも本格的な謎解きが楽しめる新感覚ミステリー。今回、私が連休前に深谷におじゃましたのは、この小冊子の原稿作成のためでした。
その作成過程を、ご紹介しましょう。
商工会議所さんとは、すでに3回の企画打ち合わせを済ませています。そこで、今回の容疑者は「若女将」の8人と決まりました。そのなかの一人が、真犯人となるのです。
で、GWの間に原稿執筆をするわけですが、そのためには、一人ひとりの「容疑者」に会って、ご本人のイメージを把握する必要があります。たとえば、案内してくれた若女将は、企画の概略を説明すると、こう語ってくれました。
「え、8人が容疑者のミステリーを、これから書いてくれるんですか。それって、凄いことです。私も書いてくれる? だったら、ぜひ、ラブシーンにしてください」
もちろん冗談なのですが、その後、いろいろお話を伺うと、本気で「ミステリーに反映してもらえる素晴らしさ」に感動してくれていることがわかりました。
そう、そこなんです。
これまで、地域の顔役に、ミステリー小冊子の「容疑者」になっていただきました。それが、地域を起点にした地域活性化のためのミステリーウォークの特長です。
若女将は、続けました。
「だって、自分たちが登場人物になるミステリーでしょう。感激です。本当のオリジナルじゃないですか。夢のよう。ずっと、深谷宿ミステリーツアーに出ることが夢でした。だって、そんなチャンス、めったにないことです」
そうなんです。もし私が赤川次郎や有栖川有栖だったら、これって大変なことでしょう? 自分の名前と、イメージが、深谷の場とともに紹介されるのです。もちろん私は、無名ですから、うれしさは1割程度でしょうが、それでも「希少価値」があることだけは、間違いありません。
希少価値こそ、この何でもコピーが手に入る時代に、貴重なものであるはずです。
で、そうやって書かれたミステリーは、地域の人しか楽しめない、参加者には「つまらないもの」になるのでしょうか。しかも、このミステリーでは「誰も死なない」のですから、ちっとも、もりあがらない?
その課題にチャレンジするために、謎解きクロスが登場したのです。
ふー。今回は、そんなところで。