パズル小説の展開。今回の作品は、謎解きクロス7×7を使っています。
連続5回です。1作ずつ、ご紹介しましょう。
■パズル小説事始
ご存知のように、小説のような著作物には骨身を削って創作したご褒美に、
著作権が定められている。
あまり意識したことはないが、その権利には保護する期間が定められている。小説の場合、100年という決まりだ。
逆にいうと、どんな名作でも、好評されてから100年が経てば、著作フリーとなる。
まあ、法律のスキマないし谷間にあたり、それまでは霧がかかっているように活用できなかった名作も、復刻することが期待される。
作家のファンにとって、100年を経てドアが開いて明かりがともることを、祈りを込めて、待っているのである。
著作権フリーになると、その作品そのものの復刻とともに、そこから派生する新しい創作物も「真似した」といわれることなく、堂々と利用することもアリなのである。
もともと、物書き、作家という人種は内気な人が多く、ビールを頼んだら自動的に柿の種が出され、お通しとして300円がつけられていても、何かのミスで3000円となっていても、文句が言えないタイプである。
スーパーのチラシに誘われて弁当を買いに出ても、いろいろバラエティのあるなかから、結局幕の内を買ってしまう。
仕事がなくなり、長期療養を余儀なくされて旅にでるなら温泉かインドになる。ニューヨークや北欧など北にある国は寒いという理由だけで選ばない。短期休暇は、近くの空地で、牛のようにのんびり過ごす。
パソコンのみならず、あらゆる機器の操作が苦手で、誰か助けてくれなければ、うっかり堀の中に飛び込んでしまうことだろう。
パズル小説は、そんな作家の、たわごとから始まった。