謎解きクロスは、登録された商標です。
ただ、それは権利ビジネスをするためのものではありません。むしろ逆で、どんどん、みなさんに使ってほしい。決して、訴えることはしません。私が、謎解きクロスを商標登録して守ったのは、普及するときに、誰かから「それは使えない」と指摘される事態を避けるためです。
そこまで説明すると、「では、どこで利益を得るのか」と聞かれます。持続可能なビジネスにしなければ、謎解きクロスも、それで進めるミステリーウォークも、決して普及していきません。
一般的に、商店街にはお金がないので、補助金などが潤沢に使える場合は別として、謎解きクロスに資本投下をしてくれる、そんな夢のようなことは起きません。
もし、謎解きクロスの作品で「売上」になり、利益になるとしたら、それは「原稿料」の形になります。
謎解きクロスは商標ですが、それで作られたミステリー小説は、著作権で守られています。著作権があるということは、創作物ですので、作品として原稿料(印税)をいただくことができます。
そこが、私の勧めるべきビジネスモデルなんです。
これは、10年前から、決めていました。原稿料をいただける場合に、私は、ミステリーウォークを実施します。
どこで利益を得るか。その一点しかありません。それ以外ところは、私は、それぞれの作家や、プロデューサーのみなさんが、別の項目で売上をつくり、利益を得ていただきたい。
先日、あるプロデューサーの方から「廣川さん、ミステリーウォークを10万円や20万円で受注してはだめ。少なくとも100万円はとらないと」とご指導いただきました。
トータルでは、そうかもしれません。
でも、それは私がする仕事ではありません。私は、原稿料をいただくために、地域に足を運び、取材し、そして謎解きクロスという作品を書くのです。
その結果、みんなが待ちにある謎に目を向け、街歩きが好きになり、ひいては、この世界が「案外、捨てたものではない」と、生きるに値する世界だと、自ら気づいてくれることが、私のミッションです。
世界は、謎でみちている。そしてその謎は、きっと解ける。楽しく解ける。そんな場所を、たくさんつくりたいなぁ、と思っています。
いよいよ、都心で、謎解きクロスが始まります。「あ!」と驚く仕掛けで、その謎解きは進んでいきます。その仕事を受注するとき、私は、相応の原稿料をいただき、自分の責任で、地域のみなさんに取材し、地域の魅力を肌で感じられるように、待ちを歩き、頼まれもしないのに、何度も何度も、飲食店に入り、飲んで食べ、話、そして町を彷徨します。
現場に即した、歩いて感じられることを重視したミステリー。それが私のつくる作品です。