このところ、毎日、謎解きクロスを使ったミステリーウォークの企画を詰めています。そのなかで、ちょっと反省しなければと思っていたことがあります。
商店街のみなさん、負担をかけて、ごめんなさい!
いきなり謝罪となりました。というのも今、課題となっているのが、商店街の負荷の件なんです。
これまで、2008年のスタート時から、私は「ミステリーウォークは、地域のおもてなし」と言い続けてきました。
しかし、2008年に150名もの市町村の代表に「地域は、来街者に、おもてなしをしてほしい。そのための、謎解きになる」と言い続けてきました。その結果、市町村から、オファーがきた件数は、10年間で、1度もありません。
何ということでしょうか。
私は、今、方針を大転換しなければいけないと感じています。この10年間で、ミステリーウォークを実現できたところは、民間企業である東急電鉄さんの紹介と手厚い支援によって実現したのは、伊豆下田、西小山、目黒区、信州上田など。
同じ信州で、松本市だけが、たまたま私が講演させていただき、副市長と懇親会で意気投合して、予算をつけてもらったというトップダウンの一例だけ。
遅ればせながら、10年も事業を続けていると、さすがに「理由」がわかってきます。
たぶん50人、いや100人、いや講演をいれると500~1000人もの、市町村の担当者に「おもてなしの街になりませんか?」と問いかけてきました。
でも、それは首長ではなく、みんな現場の担当スタッフを相手にしていた。だから、決定権がなく、誰も本気でミステリーウォークをしようなどと思わなかったということなんです。
とくに運営が面倒なミステリーウォークですから、なかなか、行政スタッフさんが「やろうよ」ということには、なりません。
喜多方では、一人、行政スタッフの方が頑張ってくれましたが、観光庁のイベントで「古代文字ミステリーウォーク」が「日本一」に輝いたにもかかわらず、観光庁の補助金がでなくなったら、自律的に「おもてなしの仕掛け」を採用することはありませんでした。
私は、お払い箱になったのです。
一方、商工会議所さんがからんでくれる地域は、続いています。ビジネスとしてみても、ミステリーウォークの効果は、なかなかのものがありますから、商工会議所さんとの相性は、比較的いい。
上田商工会議所、下田商工会議所、いずれも持続的に、謎解きクロスによるミステリーウォークを続けてくれています。
深谷商工会議所は、別な形ですが、2003年から続いてきたミステリーによる街歩きの「灯」を消すことなく、努力してくれています。
で、今までの話は「企画」と「運営」と「事務」の問題なんですが、それに、地元商店街の協力が得られるかどうかという問題があります。そのときに「街全体を考えて、おもてなしをしてください」と、商店街のみなさんに、お願いするのです。
とともに、寄付もお願いします。
そのような負荷は、私は、街の活性化のためにも必要だという認識でした。しかし、本当にそうでしょうか。
商店街のみなさんは、今まで通りに商売に専念してもらい、それでいながら、地域の魅力が浮き彫りになる方法はないのでしょうか。
参加者が、自ら、歩いて、謎を解いていく。そのとき、「商店街のみなさんには、ぜひ、街を代表して、おもてなしをしてください」と私は、いつもいつも、得意げに「お願い」をしていたわけですが、それが地域活性化の「ツボ」だと言い続けてきたのですが、それって、本当なのかという疑問がでてきたのです。
苦労して、商売をしている商店街のみなさんに、どこまで負荷をかけていいのか。自分の商店街のイベントだから、強力するのは当たり前。地域に来た人だから、おもてなしをするのは当たり前。
ちょっと、待って。
10年も、言い続けてきた私は、最近、人のいい商店街のみなさんに、負荷をかけすぎているのではないかと、気になっているのです。
商店街のみなさんは、これまで通りに、ふつうに商売をしていていただく。それなのに、いつの間にか街のブランド価値が上がり、やってくる人たちが増え、ものを買ったりする人も増え、活性化していく。
ミステリーウォークには、そんな役割も課すことができるのではないかと考えるようになったのです。
商店街の店舗には、まったく負荷をかけない問題が、待たれていると、ようやく気付いたのです。これまでも、商店主さんから、そのようなことわ言われたこともありました。
「とても、お手伝いしているよゆうはない」
西小山でも、祐天寺でも、学芸大学でも、信州の温泉街でも、そのようなことを聞きました。でも、私が一生懸命に「おもてなし」のことを説くので、街全体のために、人肌脱いでくれることも。
でも、運営はつらい。お客様がこられても、そうそう、目立った売上になるわけではありません。そこで「1年に1度にして」という声があがります。私の展開していたミステリーウォークは、「おもてなし」が日常活動であるにもかかわらず、現場では「1年に1回」しか、できないものになっていたのです。
そこで、今、謎解きクロスをフル活用することで、参加者が「自律的に」街歩きをして、商店街のみなさんは、特別なことをしないでいいパターンを研究しているのです。
かつて「京都」でミステリーウォークをしようとね実業之日本社にいた荻野さんと企画していたことがありましたが、その復活です。
街も人も、そのままでいい。
参加者のほうが、謎解きクロスで変わるのです。そして、自ら街の魅力を感じていく仕掛けです。
これはまだ、検証はできていませんが、これからの謎解きクロス&ミステリーウォークは、商店街のみなさんへの負荷を、極力減らす方向で進めていきたいと思っています。
参加者が、自律的に謎解きをして歩く仕掛け。
秋までには、編み出します。