謎解きファンのみなさま、お元気ですか?
みなさんは、鉄道に乗ったときに何をして過ごしますか?
景色を観て過ごす。正解です。でも、夜は?
なぜ、夜を聴くかというと、鉄道に乗ったときに、時間がたっぷりあったなら、どうするかということが今、私が問いかけている問題だからです。
1980年に、私は、ユーロパスを持って、ヨーロッパを周遊していました。たとえば、ギリシャからイタリアに入るとき。フィレンツェで4泊して、ローマに入りました。それから、パリまで。ずっと、列車の旅が続きました。飲んで、酔っぱらって眠るという手はありますし、たまたまボックスが一緒になった人々とコミュニケーションする楽しみもあります。
でも、一番時間をつぶせたのは、未来の「謎解き」なのでした。
これから、何をしようか。どんな自分になろうか。どんな人生が待っているのか。どんな人生を生み出していこうか。
それを考えながら、ノートをつけました。
そのノートを書いている時間が、実は、一番楽しかったかもしれません。それは、想い出になるから、というよりも、そのときのリアルな時間を費やすための、かっこうのツールなのでした。
そこで、思ったものです。
鉄道に乗って、思いっきり、ミステリーを読んでみたい。クリスティのオリエンタル鉄道? いえいえ、鉄道ミステリーに限りません。本格ミステリーを、片っ端から読んでいっても、たとえば50時間の鉄道の旅、なんてときには、いくらあっても足りないかもしれません。
そして今、時代はくだって、しなの鉄道に謎解きを提供する立場になった私。何という幸運でしょうか。それは、1980年に、私が想像していたことの一つであり、かつ、とても中心的な一つなのです。作家として、鉄道に乗りたい。その頃の、よくみた、何度もみた、そしてついに確信した、ドリームでした。
今、私は、しなの鉄道をめぐる謎解きを考えています。
その謎解きを、しなの鉄道に乗って旅をする、すべてのみなさんに心をこめて、捧げたいと思っています。作る人になりたい。新しい、誰も作ったことのない物語を作りたい。まさに、しなの鉄道で進められる謎解きクロスによるミステリーウォークは、そのドリームを具現化していることになります。
2016年9月17日(土曜日)18日(日曜日)に、しなの鉄道で、謎解きクロスによるミステリーウォークが開催されます。
鉄道ミステリー? たぶん、真田丸で盛り上がっている世間を意識した、楽しい物語になる。
私は、きっと、1980年の自分になって、しなの鉄道ミステリーを考えて、謎解きクロスの問題に落とし込むことでしょう。
みなさん、もうしばらく、お待ちください。