謎解きクロス開発物語<6>

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謎解きクロスは、ミステリーウォークを支えるミステリーの「謎解き」部分を担っています。そもそもの出自が、ミステリーウォークであり、何かオリジナリティのある謎解きを創造したい、という思いが原点にあります。

というのも、私が勧めているミステリーウォークでは、ミステリーなのに「誰も死なない」のですから。誰も死なないにもかかわらず、本格ミステリーの醍醐味を味わっていただきたい。そういう「シバリ」のなかから生まれたパズルが、謎解きクロスなのですね。

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ちなみに、ミステリーなのに何故、誰もしなないのか。それは、地域活性化を目的に企画展開するのが、ミステリーウォークだからです。

私がミステリーウォークをスタートさせたのは、2008年の秋。赤坂サカスで、まず、試験的にやってみました。それが好評だったことと、移住交流推進機構の補助金事業に選んでいただいたこともあり、第1回ミステリーへウォークは「伊豆下田」で始まりました。このときの「謎」は、アルファベットの謎解きでした。

たまたま、赤坂サカスで、謎解きをしたわけですが、その解答を「AKASAKA」にしようと思いついたのです。

AKASAKAは、ローマ字の「回文」になっています。

この「ローマ字の回文」を使った謎解きによるミステリーウォークは、2008年から2013年まで続きました。そして、謎解きクロスが誕生すると、実際に解いている参加者のみなさんから「面白い!」という励ましの言葉を、ローマ字回文の10倍くらいいただけるようになり、「イケル」と判断したのです。

でも、ローマ字回文も、捨てたわけではないのです。その証拠に、2016年の目黒区でのミステリーウォークの小冊子の問題で、下記のように復活しています。

※以下、お楽しみください。

 

学芸大学にある目黒商店街連合会の事務所では、スマにゃんが見守るなか、「のんびりイベント散歩」で配布されたミステリー小冊子の正解者から賞品を授与するための抽選会が開かれていた。

机の上には、解答@ルパンから送られてきた「最後のヒント」が載せられている。

◆解答@ルパンからきた問題文

晩秋の『朝』のこと。目黒川のほとりで誰かが『アハハ』と笑った。窓から外を見たボクは『息』を飲んだ。彼女は『伊豆路』の恋という映画に出ていた女優。ここで店を開いて何かを『売る』らしい。

『あ』思い出した。彼女の名前は『あやや』だ。レポーターから質問されるたびに『アラ』と小首を傾げる。海辺ロケをして海に入り『行こう、沖』と誘うひと。

出したDVDを確実に『売り切る』人気は変わらない。趣味を聞かれ『なぜ掛け算』と答えてしまったか。生まれが『赤坂』であることと関係しているかもしれない。

探偵@ホームズの池野所長は、伊藤君が容易してくれたパネルを見せて、謎解きをする。

◇晩秋の『ASA』のこと

◇目黒川のほとりで誰かが『AHAHA』と笑った

◇窓から外を覗いたボクは『IKI』を飲んだ

◇たしか『IZUZI』の恋とかいう映画に出ていた

◇彼女のDVDを『URU』らしい

◇考えているうち……『A』思い出した

◇彼女の名前は『AYAYA』だった

◇質問されるたびに『ARA』と小首を傾げる

◇海に入って『IKOUOKI』と誘うひと

◇DVDを確実に『URIKIRU』人気は変わらない

◇趣味を聞かれ『NAZEKAKEZAN』

◇生まれが『AKASAKA』と関係している

池野所長は、目黒六人衆に語りかけた。

「みなさんが語られた言葉を、ただ集めるだけでは謎は解けません。この解答@ルパンの謎が解けなければ、真犯人までたどり着くことは難しい。そこで私がこの場で解きましたから、参考にしてください」

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と、こんな感じです。

さて、ここに至って「池野所長」が登場しました。誰もしなないミステリーウォークでは、冒頭で、池野所長が、必ず登場します。

そう、出だしは、いつもきまっているのです。

これについては、次回に謎解きをしていきます。

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こちらの女性は姉妹。謎解きクロスの大ファンで、のんびりイベント散歩をチェックしている私をみつけて「ひょっとして、作者の方では?」と声をかけていただきました。とてもうれしかったです。

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