本日のパーティで、配布される謎解きクロス。
以下に、記しておきます。
赤羽というマニアックな地にあった「コロンビーノ」は2018年10月で閉店となった。川上店長が手間をかけて作ったホタテガイのパスタが懐かしい。とても残念なのだが、店長やオーナーに真顔で文句をいうわけにもいくまい。
ただ、さみしいので東武百貨店14階の『キッチン・グリップ』で、宴を開くことにした。参加者は15名。篠辺会長が顔を出してくれるので、みんな万難を排して集まった。今後も予定してくれれば、3ヶ月に1回は続くだろう。
二次会は、居酒屋『鞍』。コロンビーノの会が開かれている12月6日、まさに同じ時間、同じ場所で篁会OB会のみなさんが、旧交を温めているという。何という偶然。間が悪い? そんなことはありません。
なぜ偶然が起きたか……種を明かせば『鞍』は竹早の先輩が経営していた店。私は、かつて美術部OBの小杉先輩に連れられてきて、知った経緯がある。
かつて小野先生に感化された私は、1985年、ゴッホを生んだオランダにいた。街には運河が巡らされ、湿気が多く、夜が更けると濃い霧がたちこめた。
私は、手にするライトもなく、暗い街を歩いた。すると突如としてキラキラ輝く『飾り窓』の一帯が現れた。夜の香りがした。スケッチブックを持ち、新進の画家というキャラで旅をしていた私は、実質バックパッカーで、娼婦を相手にするお金はなく、ただ煌びやかな光を観て歩いた。そして、声がかかった。
暗い待合室に行き、スケッチブックを見せた。彼女は、小さな丸いテーブルで頬杖をついた。手の甲には、外科手術をした跡が残っていた。彼女は「描いて」といって目を閉じる。あわてて描き始めたが、ほどなく彼女は眠り姫となる。
果報は寝て待て……いい夢をみているのか、寝顔がとてもかわいかった。
まだ、ほんの子どもなのである。私は、鉛筆で描いたスケッチをテーブルに置き、明日はきっと素晴らしいことがあると念じて、待合室を後にした。