■ぼくらは竹早探偵団
太古の昔から、自然も人間も、そうそう変わるものではない。霧は、昔も今も街を覆うし、蛸の足は8本で、烏賊の足は10本だ。
明智小五郎の活躍していた明治時代と今では、100年しか違わない。
明治も平成も、季節には春夏秋冬があり、桜には河津やソメイヨシノなどの種類がある。
パンは小麦から作り、寿司の銀シャリは米からつくる。
悪人を退治する明智小五郎の助手に『少年探偵団』があったように、快人五面相にも仲間が必要。それを『竹早探偵団』と呼ぶこととしたい。
明智探偵は、警視庁に強いコネがあり、交通事故を起こしても大目に見てくれる。
怪人二十面相も、犯罪者でありながら、とても稀有な存在だ。
ボルネオやビルマから戻った人物にすり替わり、警備の者がたくさんいるなかで、宝石を奪っていく。
してやられた大金持ちは、失意のまま眠りにつくことになる。
快人五面相には会津の生まれで、古風なところがある。
もし、読者が勤めを休んで、近くの島に渡って休暇を楽しむときには、パズル小説を持って出かけていただきたい。
そしてギアをトップに入れて、謎解きを楽しんでほしい。
三浦しをんが書いた『舟を編む』という小説は、コツコツと辞書を編纂していく人の物語だが、パズル小説でも、コツコツと謎解きをしながら読むという、ある意味では地味な作業が必要となる。
それでも、竹早探偵団の活躍には、きっとわくわくするはずだ。最後は読者諸君の胸を打つ結末が待っているのだから。
竹早高校で青春時代を送った仲間は、篁会で人生の探検にでる。