謎解きクロス開発物語<2>

謎解きクロスのアイデアは、JTBの大谷さんの言葉にさかのぼります。

2009年の秋も深まったころ。私と大谷さんは、いすみ市に打ち合わせにいく車中。外房線内で、大谷さんから

「ぼくはクロスワードパズルが大好きなんですが、ミステリーウォークのヒントに、クロスワードパズルを使えませんか?」

と提案をいただきました。そして「かつうらビッグひな祭り」で、暗号としてクロスワードを使い、若いみなさんから「面白い!」という声をたくさんいただきました。それで私は、調子に乗ったのです。

その数日後、京都に講演が入っていて、大きな書店(旭屋か丸善)で、クロスワードパズルの作り方という、分厚い本を買いました。海外の著書を、日本語のクロスワードパズルの本に変換した、画期的な、分厚い、たしか4000円くらいした本です。

そこで得たヒントをもとに、試行錯誤を続けているうちに、謎解きクロスのアイデアが浮かびました。7×7の原型ができるまで、半年ほどかかりました。

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その間、2011年6月に、二コリさんの「クロスワード辞典」という名著を16000円で購入しています。もちろん中古ですが「ほぼ新品」の状態でした。

そして、研究が始まります。その成果を、最初にミステリーウォークに応用したのは、2012年3月に行われた「伊豆下田ミステリーウォーク」(当時はまだウォークではなくツアーと呼んでいましたが)です。

※謎解きクロス「マルタの謎」編です。

その後、2013年から「西小山ミステリーウォーク」(やはりツアーの名称でしたが)の小冊子に「謎解きクロス」が登場します。

それが、2014年の商標登録につながります。

ここでラッキーだったことは、謎解きクロスをオープンにしていなかったことです。ブログなどで公開していると、特許庁のネット検索で「すでに広まっている」とされてしまい、商標の登録ができません。

かつて、「ビジネス作家」で商標登録の出願をしたことがあり、そのとき拒絶理由として「ビジネス作家」という言葉が、ここに使われているという資料が提示されました。そのいずれも、廣川州伸が書いたサイトの文章です。

自分でネットで公表しているので、自分で保護したいという主張をしましたが、詳細に調べていくと、ビジネス作家という言葉は、私の友人である週末の達人・小石雄一さんの造語だとわかります。というわけで、断念しました。

一方、これは蛇足ですが、コンセプトデザイン研究所は、他社から商標登録の申請がなされて、私がコンセプトデザイン研究所で書籍を何冊か出しているにもかかわらず、登録されてしまいました。

もう、使ません。

ただ、特許庁と法務省に問い合わせて

「合資会社コンセプトデザイン研究所」なら大丈夫なので、これから、その名称で法人活動をしましょう、と指導をいただいてます。

コンセプトデザインのドメインを保有している私なんですが、コンセプトデザイン研究所の名前を使うと、訴えられてしまうのです。

1990年から使っているコンセプトデザイン研究所。それを6年ほど前に商標登録されてしまったわけですが、特許庁スタッフさんの話では「すでに許可されてしまったので仕方ありませんが、本来、通してはいけない商標でした。そこで最近、誰かがインターネットで公表している商標については、登録できないようにしています。今日の基準では、コンセプトデザイン研究所は通りません」とのこと。

脇道にそれましたが、ネットに出すということは、すでに「公知」されているとみなされます。「謎解きカフェ」はNGで「謎解きクロス」が通ったのは、謎解きクロスが、印刷物、しかもコピーして配布した問題として使われていたからです。

また、西小山ミステリーウォーク2013の小冊子で搭乗した謎解きクロスですが、こちれも印刷物なので、特許庁が苦手なジャンル。いちいち、すべての印刷物を調べるなんてできませんから、

インターネット検索で、引っかからなければ、大丈夫なんです。

もっとも誰かが西小山ミステリーウォークについてネットで書いて、そこで何度も「謎解きクロス」が面白いとほめていたら、まずかったかもしれません。

こうして、2013年3月、謎解きクロスは誕生しました。

今回は、ここまでにしておきます。謎解きクロスは今、完成形となっています。そこにいくまでには、もう少し、試行錯誤が続きました。

謎解きクロス開発物語<1>商標登録

謎解きクロスとは何か。まったく新しいペンシルパズルなので、解説が必要です。

これから少しずつ、謎解きクロスの歴史をご紹介するとともに、開発プロセスのトピックもご紹介しましょう。

今回は、商標登録について期しておきます。

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「謎解きクロス」の商標登録は、2014年の年頭に提出され、2014年7月に登録の手続きが終了しています。

すなわち、2013年の段階では、「謎解きクロス」というネーミングを使っている人は、だれも居なかったということです。

逆に、2016年の年始に出願された「謎解きカフェ」は、すでに一般のネーミングとして活用されていることを理由に、2016年7月に「拒絶理由」を受け、12月に、決定しました。

謎解きカフェの場合、「拒絶された」ことが何を意味するかというと、誰もが「謎解きカフェ」という名前を、たとえば「クロスワードパズル」のように、「ジグゾーパズル」のように、使ってもいいし、それによって特定の誰かさんに訴えられることはない、ということです。

この「使っていい」ということと「訴えられない」ということが重要。

私は、数万円と数日間を使って「謎解きカフェ」の商標登録ができるかどうか申請して確認したわけですが、その目的は、まさに「使っていい」「使っても訴えられない」ことを実現するためでした。

すなわち、私は、目的を達したのです。

それで、本サイトにも「謎解きカフェ」のコーナーができました。また私は、インターネットサイトで「謎解きカフェ」に関するいくつかのドメインを持っていますが、「謎解きカフ.com}とか「nazotokicafe.com」そして、たとえば沖縄でも独自に展開してほしいから「謎解きカフェ.okinawa」のドメインも登録してあります。

これらは、投資額とすれば、年間数万円にすぎませんが、すべて「自由に進めたいときに、進められる権利」がほしいからです。

せっかく、新しいことを始めようというときに、あちこち、誰かが利権を主張し、調整が必要になってくると、勢いがつきません。

「謎解きクロス」も、同様です。

今、謎解きクロス作家は、世界中で廣川州伸しかいません。しかし、たぶん東京オリンピックのころには、数人がチャレンジしています。

だって、100万人が、謎解きクロスを楽しみに待っている状況が生まれたら、問題を提示しつづける義務があるわけで、とても私一人で対応できる世界ではありません。

その状況で、「謎解きクロス」の名前を使わないでほしいと訴えられることは、もう絶対に、なくなりました。

もちろん、私は、誰かが「謎解きクロス」の名前を使ったときに、それでお金をいただこうとは思っていません。

ただ「あれは、廣川さんのコンセプトデザインだ」と、ちょっとだけ意識して、大切にしてほしいのです。

謎解きクロスは、私の子どもであり、宝物なのですから。

謎解きクロスの開発物語

謎解きクロスファンのみなさん、お元気ですか?

世界は、謎で満ちています。何故を問うことは、きっと人生を豊かにするでしょう。

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これから、謎解きクロスの開発物語を、少しずつアップしていきたいと思います。そう、たぶん、年内に発刊する 謎解きクロス入門 という本のために。

謎解きクロスは、地域活性化のために進めていたミステリーウォークの問題として生まれました。

千葉県の、いすみ市でミステリーウォークを進めたときに、謎解きの問題を、クロスワードパズルにできないか? と、JTBの大谷さんから、指摘されました。そこで、チャレンジしたことから、謎解きクロスは、スタートしたのです。

以下、次回に。

ミステリーウォークの聖地

謎解きクロスファンのみなさん、お元気ですか?

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1月は、週末にかけて信州松本・東北石巻・信州上田・伊豆下田と、謎解きクロスによるミステリーウォーク実現の打ち合わせに行ってきました。

新幹線や特急のなかで、じっくり考えました。

2008年10月、赤坂サカスで行われてJOIN(移住交流推進機構)フェスタで、ミステリーウォークのプレイベントを行い、その勢いをもって、11月に伊豆下田で、2日間のミステリーウォークを実施しました。それが、廣川州伸が企画プロデュースするミステリーウォークの、祈念すべき第一回。

そこで、こんなことを考えました。伊豆下田を、謎解きクロスによるミステリーウォークが行われる「聖地」にしよう、と。

聖地というと、膨大な予算をかけて、全国から来ていただく仕掛けを進めるように聞こえますが、それでは伊豆下田にとって荷が重い。観光客を迎える下地ができあがっているステキな街、伊豆下田。もっともっと、いろいろな人が、来て、楽しんでほしい、ということが狙いですから、「聖地」は、シンボルでいいんです。

どういうことかといいますと、伊豆下田を、これから全国で進める謎解きクロスによるミステリーウォークの「ミステリー小冊子」を解いて正解した人のなかから、抽選で1組、2名さまを、伊豆下田1泊2日の旅にご招待。その賞品を、いつも、伊豆下田と決めればいいと気づいたんです。

私の謎解きクロスによる小冊子は、冒頭、いつも同じセリフでスタートします。これは「決め事」なんです。同じように、私の原稿料のなかから、感謝の意味も含めて、いつも二人分の「伊豆下田宿泊券」をプレゼントする。そのときに、もちろん「伊東駅」から伊豆急下田駅」までの運賃は、セットになっています。

廣川氏 (5) 下田市長&廣川氏

そう、この賞品がセットになっている、ところが、謎解きクロスによるミステリーウォークの、他のイベントにはない特徴となっていくのです。

その理由は、伊豆下田が、地域活性化を進めるミステリーウォークの第一回が行われた場所だからです。

この仕掛けには、もちろん下田商工会議所、伊豆急行、下田観光協会のみなさんが関わってくれます。

実は、2008年に第一回ミステリーウォークを実施してから、2017年で、何と第10回となるのです。そこで、これから私は、原稿料から、たぶん3万円を投じて(本来、これでは宿泊費だけなんですが、そこは何とかしてもらい、伊豆急行さんの伊東から下田の往復切符も入れて、3万円でまとめてもらえないかと考えています)

たとえば、目黒区で謎解きクロスによるミステリーウォークをする場合も、特別賞として「ミステリーウォークの聖地・伊豆下田の1泊2日の宿泊券(伊東・伊豆急下田往復特急券付)を2名様分」を、謎解きクロスのミステリー小冊子の「特別賞・賞品」とします。

これ、私が3万円を支払うので、主催する目黒区商連さんの腹(サイフ)は痛みません。同じように、深谷宿ミステリーツアーでも、謎解きクロスによるミステリー小冊子には特別賞がつきます。主催される深谷商工会議所さんの腹(サイフ)も痛みません。

信州上田ミステリーウォークでも、同じことです。では、誰の腹が痛むのでしょうか。もちろん、賞品のお金を出すのは私ですから、私の腹(サイフ)は痛みます。3万円あったら、私自身が、温泉旅行したい?

でも、これは感謝の気持ちなのです。謎解きクロスによるミステリーウォークを楽しんでもらえるミステリーファン、謎解きクロスのファンのみなさんへの、感謝の気持ちを形にしたものです。

で、いつものご質問。作者は、一体、どこで儲けるのか?

もちろん、謎解きクロスの本を書いて、それをベストセラーにして儲けます。これは、私が、2006年に推理作家・故・伊井圭さんにコミットしたことでもあります。

「謎解きクロス入門」がベストセラーになり、全国で100万人が楽しむパズルが誕生したら、それを原資に、地域プロデューサーを組織化して、たとえば東急電鉄さんの路線を全部使って、謎解きクロスによるミステリーウォークを展開します。

それが、2008年に、私たちがみていた「ドリーム」になります。

楽しみです。

西小山2012Tシャツと探偵衣装

 

 

 

 

 

歩かないミステリー

謎解きクロスファンのみなさん、お元気ですか?

仙台空港に到着して、閉ざされた空港や、ステーションで、ミステリーウォークがありや、なしやと、考えています。

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結論から言うと、空港で、ミステリーウォークをするわけにはいかないですね〜やはり。安全性の問題がありますから。

ただ、空港では、時間を持て余している人たちも、たくさんいます。ロビーで、カフェで、ミステリー小説を読んでいる人もいることでしょう。

すなわち、アチコチ動き回らないタイプなら、謎解きクロスによるミステリーは、十分、成立するわけです。

たとえば、仙台空港でしか入手できない謎解きクロスのミステリー。仙台をテーマに、地域活性化のイベントの告知を、仙台空港の中で、謎解きクロスのミステリー小説という形で展開する。

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空港は、人生において、大切な時間が流れています。そこでは、きっとミステリーが似合う。そう思いませんか?

 

今年も信州でミステリーウォークを進めます!

謎解きクロスファンのみなさん、お元気ですか?

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信州では、これまで「浅間温泉」「美ヶ原温泉」「なわて通り・四柱神社」「しなの鉄道・上田駅」「上田市街」「須坂市」と、謎解きクロスを交えたミステリーウォークを実施していただきました。

ミステリーウォークは、地域のなかに、運営してくださる地域プロデューサーの方がおられなければ、一歩も進みません。その点でも、本当に、自分は幸運だったと、それぞれのミステリーウォークを楽しく想い出しています。

今年も、謎解きクロスによるミステリーウォークが行われます。

場所は、別にミステリーではなく「信州上田」です。そして、いつかまた、松本でも運営していただき、信州全体で、たとえば夏季に、一カ月くらい、あちこちで謎解きが点かいされる、そんな日を夢見ています。

ですから、これは長野県温泉協会さんに、地域プロデューサーになっていただけないかと、虫のいいことを考えています。

でも、私の場合、こうして思いついたことは、たいてい実現しています。なぜ、長野県の温泉協会なのか。だって、信州には、ステキな温泉がたくさんあるからです。

その企画をねることもあり、これから、信州上田だけではなく、信州全体にも、とくに温泉を求めて、ロケハンしておきたいと思っています。

ほんと、信州には、歴史・文化・グルメ・温泉、そして勤勉な人々と、ミステリーにかかわるネタが、たぶん全国一、豊富にあると思っています。

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信州松本ミステリーウォーク

謎解きクロスのファンのみなさん、お元気ですか?

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信州松本でも、ミステリーウォークを三回、実施させていただきました。懐かしい、松本城。公園で、信州新蕎麦祭りがあり、そこで、浅間温泉ミステリーウォークのチラシを配布。

おかげで、盛況でした!

ありがとうの気持ちを込めて。そして、また、信州松本でミステリーウォークができるように、松本に来ています。

 

夏目漱石「こころ」の謎解きクロス

nazo_logo2謎解きクロス・ファンのみなさん、お元気ですか?

夏目漱石の「こころ」が、2~3行の「新作」を加えることで、謎解きクロスの問題に置き換えることができると、わかってから、いろいろな可能性が見えてきました。

要するに、自分の書いた著作を使えば、いいのです。そう「ヒツジ」を謎解きにしたように。世界のビジネス理論や孫子の兵法、そして菜根譚などは「謎解き」にふさわしいコンテンツ。

江戸川乱歩もいいけれど。夏目漱石もいいけれど。

というわけで、下記。

私(わたくし)はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚(はば)かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。筆を執(と)っても心持は同じ事である。よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。

私が先生と知り合いになったのは鎌倉である。その時私はまだ若々しい書生であった。暑中休暇を利用して海水浴に行った友達からぜひ来いという端書(はがき)を受け取ったので、私は多少の金を工面して、出掛ける事にした。私は金の工面に二、三日(さんち)を費やした。ところが私が鎌倉に着いて三日と経たないうちに、私を呼び寄せた友達は、急に国元から帰れという電報を受け取った。電報には母が病気だからと断ってあったけれども友達はそれを信じなかった。友達はかねてから国元にいる親たちに勧(すす)まない結婚を強いられていた。彼は現代の習慣からいうと結婚するにはあまり年が若過ぎた。それに肝心の当人が気に入らなかった。それで夏休みに当然帰るべきところを、わざと避けて東京の近くで遊んでいたのである。彼は電報を私に見せてどうしようと相談をした。私にはどうしていいか分らなかった。けれども実際彼の母が病気であるとすれば彼は固(もと)より帰るべきはずであった。それで彼はとうとう帰る事になった。せっかく来た私は一人取り残された。

なんて感じ。

これからの課題は、このサイトでは「ゴシック」が難しいことか。

いずれ、できるようになるはず。お楽しみに。

五感のハーモニー

謎解きクロスのファンのみなさん、お元気ですか?

今夜は、音楽プロデューサーの大川正義さんと青山で企画会議。音楽業界の今と、これからについて、大いに語っていただきました。

大川正義さん、いわく。若い人達に届く音楽をプロデュースしたい!

私もまた、若い人達にも読んでもらえる本を書きたい。心から、そう思っていました。

最後に、大川正義さんに、コンセプトデザインを残し、再会を約束して別れました。いつものように、すっかり、ご馳走になってしまいました。

今年、大川正義さんと、五感のハーモニーを奏でる本を作ります。きっと。

謎解きクロスではありませんが、音楽は人生を豊かにする。それを実感しています。

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寒いですね〜

謎解きクロスのファンのみなさん、お元気ですか?

冬将軍がやってきて、いよいよ寒さも本番。

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こんなときは、謎解きクロスを考えながら、知恵熱に期待すると、しましょうね〜

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写真は、埼玉の深谷です