長編パズル小説「そして誰も知らなかった」は、突然、降りてきたタイトルだけど、なぜ、それが「いいのか」は、後付けとして深まっている。
何か起きたときに、わかるまで「誰も知らなかった」ことは、意外に多いのではないか。思いつかないし、知っている人もいない事件。
表に出てきたから「わかる」のであって、こちらが探偵となって、自律的に、積極的に探究しなければ、わからない事件も少なくない、と思う。
だから、謎が、一つずつ、積み重なっていく。それがアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の構成である。
わかっていても、誰も「そして誰もいなくなる」事態を止めることができなかった。逃げ切ることはできなかった。
同じように、一つひとつの謎を解くたびに「誰も知らなかったなど」が解き明かされていくけれども、最終的に、大きな謎解きが終わるまで、真相は知らない。
一つひとつは、わかっていても、解決していても、それが全体として何を意味するのかは「そして誰も知らなかった」ということになる。
結論としては、誰もしらなかったのは「誰も死なないのに、長編推理小説が成立する」ということ。私は、日本初のパズル小説作家として、それを証明したい。
どうかな。できるかな。
もちろん、できる。GWに完成し、出版のための編集・印刷・製本を進めていく。
お楽しみに。
