謎解きクロス@屋台村が始動します

謎解きクロスファンのみなさん、こんにちは。

沖縄の国際通り屋台村は、今年2周年。その記念イベントに合わせて、謎解き酒場という仕掛けを、横井村長が進めてくれました。

これは、国際通りなどでA4サイズの問題「謎解きクロス7×7」を配布。ところが、そのままの状態で解ける人は100人に3人ほど。それで「屋台村」に行くと、あちこちの店舗に「ヒント」が掲示してあります。

そのヒントとともに、店主がゆとりがあれば、ちょっとしたコミュニケーションをとってもらい、謎を解いていく仕掛け。

そして、楽しいことに、この謎解き酒場は、沖縄を皮切りに、深谷のふっかちゃん横丁、そして八戸のみろく横丁から、全国屋台村連絡協議会を通して、全国の屋台村に波及していきます。

その問題文を、下記に。

<国際通り屋台村ファンの謎>

沖縄に移り住み、探偵事務所を始めて10年になる。なかなか成り手がない探偵助手も、アルバイトを雇えるようになった。まあ、順調だ。

その夜もバイトの手配をしてから、国際通りの屋台村に向かった。そこでは、沖縄で知り合った仲間が集まり、地域活性化の話し合いが行われていた。

ボクは、20ある店から指定された店の前に立ち、ドアではなく引き戸を引いて内に入る。そこでハッとした。若者に交じって老紳士が座っている。

「あ、師匠! 来てくれたんですね。よくがとれましたね」

「来ちゃいけなかったか? 何か支障でもあるのか」

師匠と支障というダジャレも健在だった。彼は古稀を迎え、人生でいえばに当たる高齢のはずだが、いつも若々しく、青春を謳歌している。

ボクはまだ子どもだった時に師匠に逢い、探偵稼業だけでなく人生についても教わった。師匠と会わなければ、青春のを駆け抜けることができなかった。

「私が心不全で動悸が激しくなって入院したとき、見舞いに来てもらった。あのときは、うれしかったよ。これで借りはなし、お相子だね」

「こっちのお返しが足りません。これから一生かけて、恩返しします」

「それより屋台村の村長に聞いたよ。君はもう探偵モドキではなく、数々の難事件を解決した名探偵。これは村長の意見だけに、尊重しないと」

そのダジャレに突っ込む前に、ちょっと奇異に思えるかもしれないが、ボクはうれし泣きをしてしまった。

日々のにするため、どんな仕事でも受けてきたが手を抜くことはなかった。この屋台村でも、それぞれの店にそれぞれ魅力がある。それを相手の気持ちを読み解きながら、魅力を発見し、謎解きを続けてきた。

ボクは香辛料のをふりかけ、お腹いっぱいまで食べ、泡盛を飲み、互いのを確認した。2周年記念イベントのテーマは「うとぅいむち」で決まりだ!

※どうですか? ヒントをみないで解けると、100人に3人の名探偵。

謎解きクロスは、フレームは共通です。ぜひ、コピーしてお楽しみください。

謎解きクロスの原作・売ります!

GWの迷走から、凄いこと、思いつきました。村上春樹の小説の「架空の街」のモデルを探して、読者が歩くように、謎解きクロス®によるミステリー小説は、特定の街を歩きながら(あるいは誰かからヒントをもらいながら)謎解きをしていくことができます。

一方、謎解きクロス®を生んだミステリーウォークをするのは、地域プロデューサーがいなかったら成立しません。

地域の商店街や旅館、ホテルなどのみなさんとともに、おもてなしの仕掛けを考えて実行しなければなりません。

しかも、ただ「謎解きクロス」の問題を配り、ヒントを掲示するだけでも、「それって、どんな効果があるの?」と言われてしまうくらい、新しいことにチャレンジしてみようというフレキシブルなマインドがなければ、実施するのは難しいのです。

で、ずっとミステリーの小冊子をどんどん作りたいなと思いつつ、なかなか実現しませんでした。保田氏は、作家のはしくれなので、待機プロデューサーとして、地域のみなさんをまとめたり、動かしたり、するのではなく、「作品を残したい」のです。

そこで、ポイントになるのが「1割でいい」という、有栖川有栖さんの助言でした。

私のターゲットは、もともと少ない。それでいいんです。その人たちが、本当に楽しんでくれれば、いい。

そこをもっと掘り下げていくと、「謎解きクロスのミステリー小冊子は、売れる!」という結論にたどりつきました。

どんな人に売れるのか。コンセプトは明確です。

〇謎解きクロス®は文章がヒントになる日本初のクロスワード

・文章のなかにゴシック体で表現される「言葉の破片」があります。その破片を、謎解きクロスのフレームに「言葉のジグソーパズル」のように埋めていくと、クロスワードパズルが解けて「解答」が浮き彫りになります。その解答を使ってミステリーを解くのが「謎解きクロスによるミステリー小説」です。

・謎解きクロス©によるミステリー小説には「定型パターン」があります。そのパターンを使って、世界に一つしかないオリジナル・ミステリー小説が生まれます。ミステリー小説は1話あたり48ページを想定しています。

※内容はミステリー小説なのに「誰も死なない」ハッピーな結末。そこで謎解きをリードするのが、謎解きクロス®という言葉のジグソーパズルです。

※謎解きクロス®による地域活性化ミステリー小冊子制作実績

◇2013年05月 西小山ミステリーツアー2013(西小山商店街)

◇2014年05月 西小山ミステリーツアー2014(西小山商店街)

◇2014年11月 松本inえびす講ミステリーウォーク(松本市観光温泉課)

◇2015年05月 第16回深谷宿ミステリーツアー2015(深谷商工会議所)

◇2015年10月~11月 目黒商連「のんびりイベント散歩」(西小山駅・学芸大学駅・都立大学駅・大岡山駅・祐天寺駅・中目黒駅・駒場東大前駅)~総勢5000人参加

◇2015年11月 しなの鉄道「信州上田・謎解きミステリーウォーク」

◇2016年03月 信州須坂「ひな祭り・謎解きミステリーウォーク2016」

◇2016年04月 第17回深谷宿ミステリーツアー2016

◇2016年09月 信州上田「謎解きミステリーウォーク2016」

◇2016年11月 伊豆下田・大物産展「下田ミステリーウォーク2016」

◇2016年10~11月 目黒商連「のんびりイベント散歩」(学芸大学駅・洗足駅・大岡山駅・祐天寺駅・中目黒駅・駒場東大前駅)~総勢6000人参加

※以降 引き続き伊豆下田(伊豆急行)、信州上田(しなの鉄道)、埼玉県深谷市などで展開する他、三重県伊勢志摩、岡山県倉敷市、宮城県石巻などで展開を予定。

謎解きクロス®によるミステリー小冊子も、だんだん数が増えてきました。

たった50人しか正解しなかった難問もありますが「ヒント」があれば、解けるようになる特長があります。コミュニケーションを前提とした小説なのです。

そう、黙っていても、村上春樹の小説のように、地域を散策して楽しめる小説になっているのです。

はい。これが、凄いと感じる人が、10人いたら1人くらいいる、ということだったんです。

いままで、9人のみなさんにアプローチして、なかなかは急しませんでした。でも、1割のコアなファンに励まされて、9年も続けてました。そして今、ひとつのコンテンツが生まれようとしています。

夏目漱石の「こころ」が、謎解きクロス®になったように、新しいオリジナル小説を販売するビジネスデザインがあると気づいたのです。

■謎解きクロスによるミステリー小説を「オリジナルギフト」にしませんか?

○結婚式の「記念品」の目玉として:一部

○記念日の「配布物」の代わりに

○イベントのオリジナル景品として

○地域おこしの目玉として(これが、今まで仕掛けてきたミステリーウォークです)

 

<1>主人公を決められます

・あなたが指定した誰かを「主人公」にして謎解きクロスによるミステリー小説を作ります。そのミステリー小説は、エロ・グロ禁止で、決して誰も死なない、アットホームなコンテンツとなっています。

<2>解答を決められます

・そのミステリー小説の「解答」は、あなたと相談して作成します。

<3>創作ページ数と、10部~200部までの発行部数を指定できます

・ニーズに応じて、コストを計算できます。たぶん、売値で20~50万円くらいが、いい感じかと。

どこかに、ターゲットいます。だから、代理店をみつけるか、直接、結婚式場のコンテンツに加えていただくか。

いずれにせよ、謎解きクロス®によるミステリーウォークにつながる大きな一歩が、パトロンたちによる「小冊子の発刊」にあることは間違いありません。

GWの迷走

謎解きクロスのファンのみなさん、GWはいかがお過ごしですか。

福島県の新甲子温泉にある甲子高原フジヤホテルにて、地域活性の達人たちで、ホテル再生事業のコンセプトづくりをするワークショップに参加させていただきました。

とっても楽しく、興味深いワークショップ。ここから、新生フジヤホテルの新しい歴史がスタートする、そんな思いを強くした二日間でした。プロデュースしてくれた東急電鉄のTさん、そして宿泊させてくれたオーナーに感謝いたします。

で、例のごとく、そこでも私は「謎解きクロス」のトップ営業マンとして、みなさんに紹介させていただきました。

そして、約20名のプロのみなさんに、ちょっとした余興として、2016年秋に行われた「信州上田 謎解きウォーク」と同じ問題とヒントを、甲子高原フジヤホテルのロビースペースで展開させてもらったのです。

ありがとうございました!

その結果を少し書きます。

地域活性化を進めている現役プロデューサーのみなさんのうち、関心を示してくれた人が10名。ただ、実際に謎解きまでしてくれた人が3名。その内訳は、建築家と漫画家は女性、一人は著名なビジネス作家の男性です。

ご参加、ありがとうございました。

その他の人は、目の前に広がっている謎解きの空間よりも、今いる素晴らしい環境と、素晴らしい人たちとの会話と、これから打ち出す新生フジヤホテルのコンセプト開発に夢中で、謎解きをする人はいませんでした。

ちょっと残念でもあり、まあ、そうだろうなぁという気持ちもありました。

で、ちょっと迷走してみました。

謎解きをしてみたい、パズルを解いてみたいという欲求は、私にとっては「当たり前」のものなんですが、地域をよくしたいという思いにあふれたみなさんの2割程度しか、関心はなかった。この数字をどうみるかで、今後の展開がきまってきます。

この数字は、たぶん、一般的な数字なんだと思います。

謎解きクロスという世界は、面白い、興味がある人には深く入り込めますが、そうでない人にとっては「なにそれ」の世界なのでしょう。

例えば昨年、10000②の人が街歩きのミステリーウォークを楽しんでくれました。私は、ミステリーウォークに参加されたみなさんの後ろをついていき、みなさんが謎解きクロスを見て楽しんでいる状況に感動していたわけですが、その人々は、そもそも謎解きに興味がある人だったんですね。

一般のみなさんは、ミステリーにもクロスワードパズルにも、謎解きにも興味はないのです。そのことを前提に、マーケティングを考えたほうがいいのですね。

謎解きクロスは、特別な人たちが楽しむゲームなんです。

ですから、これはひろくマスとしてPRしても、ひっかかりは少ない。特別なターゲットが集まる場に、PRすべきなんです。そして、2割という数字は、かなり高いのです。きっと。

かつて、有栖川有栖さんが、こう言ってました。

「ミステリー小説を書くときに、本を読む人のうち、9割が面白いといってくれる内容ではなく、9割が関心を示さなくても、1割がものすごく興味をもってくれる内容にしたい」

私の勧めている謎解きクロスも、同じような気がしています。

本を読まない人に、謎解きクロスの魅力を伝え、ミステリー小説を手渡しても、それはスル―してしまうだけ。本を読み、なかでもミステリーが好きで、その理由がホラー的な要素ではなく「謎解き」にあるというみなさんが、ターゲットなのです。

そんな迷走のなかで、ホテルですすめる謎解きクロス。ちょっと考えています。オペレーションが大変なのですね。オペレーションが必要ない、ミステリーウォークができるといいのです。

まず、問題は「無人のスペース」に置いてあるだけ。ヒントは、ホテルの中に何ヶ所か「謎解きクロス」が掲示されている。ただ、それだけでは解けません。その他に、何ヶ所か「謎解きクロス」ではない「言葉」が、現地に行くとわかるしかけ。

それを組み合わせて問題にすれば、ホテルに戻って、「謎解きクロス」と「現場の言葉」のミックスで謎解きが自動的にできるという仕掛け。

そんなことを考える、いい環境の新甲子温泉。これから、通うことになりそうです。

 

 

GWの妄想

みなさん、2017年のGW、何をして過ごしていますか?

私は、謎解きクロスに関していえば、まず、深谷宿ミステリーツアーの原稿作成。

また、GW後の準備として「インパウンド対応の強化」と「小田原近辺で展開するミステリーウォークの企画検討」をします。その他、テーマとしては「5月13日に沖縄で開かれる謎解き酒場の企画検討」があります。

そして、これは別件なのですが、せっかくのGWですので、ここ数年、考え続けてきた課題「AI(愛)はAI(人口知能)を、どのように超えていくか」というテーマについて、そのコンセプトデザインを作りたいと思っています。

で、今朝、感じたことを書きたくて、ここにいます。私たち物書きは、夜中、寝ている間に、たくさんの啓示のようなものを得て、朝は、それを書き起こす作業に追われます。もちろん、啓示のようなもので、ちゃんと覚えているものは少ないのですが、こうして書いているうちに、想い出すこともあります。

昨夜の夢のなかで私は、「このことを、まだ誰も知らない」という事実を楽しんでいました。「このこと」とは、おそらく「謎解きクロスを使ってミステリーがデファクトになる」ことなんです。

ちょっとイメージしてみてください。

2020年には、謎解きクロスを使った地域活性化のイベントが、全国で100ヶ所以上、行われています。謎解きカフェの展開、沖縄でする予定の「謎解き酒場」のような謎解きクロス普及型のイベントが、毎月、あるいは隔週で提供される「同一問題」によって、全国100ヶ所で配布されることになります。

東京だけではありません。

北は北海道から、南は沖縄まで、たぶん10くらいの都道府県で、100ヶ所。

そのとき、私は「遅れてきた作家」として、マスコミにも登壇しています。もちろん、2018年に刊行した「謎解きクロス入門」はベストセラー。その収益を、おしみなく地域活性化に使いますので、全国に「謎解きクロスによる地域活性化」を進める人材、すなわち地域プロデューサーが、どんどん登場してきます。

私は、地域プロデューサーのみなさんに会いに、毎週の週末、順番に、全国を渡り歩きます。それが私の理想の展開。そのとき、地域で会った人が、私をみて気づくのです。

「あれ? 一緒に仕事したことがある!」

「あれ? 本で読んだことがある」

「あれ? 講演を聴いたことがある」

そうなんです。私が週末作家として地域活性化を唱え始めてからでも、すでに10年。その間、けっこう、いろいろな方と会い、週末作家として「謎解きクロスによるミステリーウォーク」を推奨してきました。

そして、気持ちが伝わり、実際に行動してくださった方も、たくさんおられます。それゆえ、本サイトが生まれ、今年は謎解きクロスが急ピッチで進み、新たなステージを迎えることになるのです。

ただ、現実問題として、この「謎解きクロス」が、どの程度凄いのか、ほとんどのみなさんが、うまくイメージできませんでした。

せっかく、会って、プレゼンさせていただいたにもかかわらず、謎解きクロスによるミステリーウォークや、私の書いた「誰も死なないミステリー」に注目してくれる人は、ごく少数だったのです。

そのうちの一人は、あの本格ミステリー小説の大家・有栖川有栖さんです。まだお仕事ではコラボできていませんが、2020年には、一緒に楽しいイベントを企画展開していると思います。あのハードボイルドの大沢在昌さんも「これは面白い」と、日本推理作家協会の事務方の女性を紹介してくれました。

ただ、そのような、ごく少数の、凄い人々(もちろん、あの有名な首長も!)が、ほんに3分で「これは面白い」と言ってくださるのに対して、ふつうの、常識的な地域プロデューサーの人は、なかなか「いいじゃん」となりません。

まあ、これまで世の中になかった新しいコンセプトですから、そのような反応は、いつものことなんですが。ただ残念なことに、その想像力のなさが、謎解きクロスによるミステリーウォークの普及を、とっても、とっても遅いものとしていました。

私はもう、8年間も、週末の時間のすべてを費やし、謎解きクロスによるミステリーウォークをアピールしてきたのです。

でも、行動してくれた地域プロデューサーは、だいたい10人ほどにとどまっています。それはなぜか。判断するモノサシを「量」におき、「マスコミ」においていたからだと、私は感じています。

この謎解きクロスは、普及が始まれば、あっという間に全国区でヒットします。

そのとき「あ、この人知ってる」といわれても、私は、ちょっと対応できません。

ですから、今のうちに、100万人の謎解きクロスになる前に、謎解きクロスが普及していくプロセスを、ぜひ、一緒に楽しみ、見守ってください。

なんてこと、ちょっと考えたGWでした。

向かって右の女性は、目黒区でミステリーウォークの参加して「謎解きクロス」のファンになってくださり、2年連続で、しかも多地域、謎解きクロスを楽しんでくださっています。ちなみに、向かって左側の女性は、お姉さん。二人で、のんびり散歩して、街を楽しみ、そして「ミステリー小冊子」を解き、感動してくださったとのこと。

今年、私の小冊子が目黒区で読めるのか、オファーがないので未定なんですが(すみません。週末作家は、オファーと情熱がなければ、決して原稿を書きださないのです)、いずれ「本」として、広く入手できるようになるので、そのときにはまた、おおいに楽しんでいただけると思います。

深谷宿ミステリーツアーの小冊子が凄い!

謎解きファンのみなさん、お元気ですか?

本日は、大好きな深谷に伺い、1ヶ月後に行われる「深谷宿ミステリーツアー2017」の原稿作成のため、「若女将」の8人にお会いし、写真撮影と「30秒で語るヒント」の収録をしてきました。

そこで、最高にうれしい出来事があり、自信を深めるとともに「感謝の気持ち」でいっぱいになりました。そのことを記しておきます。

地域活性化でミステリーウォークを進める場合、謎解きクロスの5×5は無償で提供できますが、原稿作成に関しては、お金をいただきます。ただ、というわけにはいかないのです。

そのお金がかかるということに関して、地域の「管理職」のみなさんから「費用対効果がない」との批判があります。びっくりするほどの廉価なんですが、お金を払うというときには「それで、何人来たんだ?」「売上は伸びたのか?」などという質問がとびかうようです。そのようなモノサシを当てて判断される土俵にのるつもりはありませんので、そんなときは、即刻、撤退するのですが。

で、深谷宿ミステリーツアーのことに戻ります。

このイベントは、2003年から行われています。渋沢栄一氏を生んだ深谷の商工会議所さんが主催してくれるので、持続できたのです。私は、創始者のミステリー作家伊井圭さんの後をうけて、2017年で3回目となる小冊子の発刊に挑んでいるわけです。

その内容は、初級編として、地域の17ヶ所のヒントポイントを歩き、そこに掲示してあるヒントから、17文字の解答を導くものです。これは、時間を競うわけではないので、小学生から高齢者まで、ベビーカーを押したファミリー、カップル、もちろん単独参加もOKという、幅広い参加者が楽しめるイベントです。

そして、ゴールしたらミステリー小冊子がもらえます。これは、ミステリーなのに誰もしなない、でも本格的な謎解きが楽しめる新感覚ミステリー。今回、私が連休前に深谷におじゃましたのは、この小冊子の原稿作成のためでした。

その作成過程を、ご紹介しましょう。

商工会議所さんとは、すでに3回の企画打ち合わせを済ませています。そこで、今回の容疑者は「若女将」の8人と決まりました。そのなかの一人が、真犯人となるのです。

で、GWの間に原稿執筆をするわけですが、そのためには、一人ひとりの「容疑者」に会って、ご本人のイメージを把握する必要があります。たとえば、案内してくれた若女将は、企画の概略を説明すると、こう語ってくれました。

「え、8人が容疑者のミステリーを、これから書いてくれるんですか。それって、凄いことです。私も書いてくれる? だったら、ぜひ、ラブシーンにしてください」

もちろん冗談なのですが、その後、いろいろお話を伺うと、本気で「ミステリーに反映してもらえる素晴らしさ」に感動してくれていることがわかりました。

そう、そこなんです。

これまで、地域の顔役に、ミステリー小冊子の「容疑者」になっていただきました。それが、地域を起点にした地域活性化のためのミステリーウォークの特長です。

若女将は、続けました。

「だって、自分たちが登場人物になるミステリーでしょう。感激です。本当のオリジナルじゃないですか。夢のよう。ずっと、深谷宿ミステリーツアーに出ることが夢でした。だって、そんなチャンス、めったにないことです」

そうなんです。もし私が赤川次郎や有栖川有栖だったら、これって大変なことでしょう? 自分の名前と、イメージが、深谷の場とともに紹介されるのです。もちろん私は、無名ですから、うれしさは1割程度でしょうが、それでも「希少価値」があることだけは、間違いありません。

希少価値こそ、この何でもコピーが手に入る時代に、貴重なものであるはずです。

で、そうやって書かれたミステリーは、地域の人しか楽しめない、参加者には「つまらないもの」になるのでしょうか。しかも、このミステリーでは「誰も死なない」のですから、ちっとも、もりあがらない?

その課題にチャレンジするために、謎解きクロスが登場したのです。

ふー。今回は、そんなところで。

謎解きクロス開発物語<10>

謎解きクロスは、解くことも楽しいのですが、実は「つくる」喜びも捨てがたいものがあります。それで、今年後半に執筆を予定している「謎解きクロス入門」では、謎解きクロスの解き方だけでなく、つくりかたについても、紙面をさくことになります。

では、どう作るのか。英語版の謎解きクロス5×5の場合をみていきます。

インバウンド対応について、謎解きクロスに何ができるか。3日間、考えました。その結果、「謎解きクロス5×5」は大丈夫だけれど、それより大きくなると、相当英語に習熟していなければ、辞書だけでは作れません。作れないということは、たとえ問題が完成したとしても、今度は「なかなか解けない」という問題が発生します。

せっかく、インパウンド対応の英語バージョンなのに、たとえばアメリカ人でいえば小学生でも、らくらく解けるような問題、ヒントを少しいえば、日本人でも解ける問題が理想のレベル。

ということで、英語の謎解きクロスは「5×5」に限定しました。

では、どうつくるのか。

まず、英文の「解答」が必要になります。そこで、日常英会話の本を仕入れました。また、テーマがインバウンド対応ですから、外国人の観光客が日本に来た時に、気分よく「おもてなし」の心が伝わるような英文を、謎解きクロスで浮き彫りにできれば、楽しいはず。

WELLCOME TO TOKYO

たとえば、こんな感じです。

その1文字ずつが、それぞれ謎解きクロス5×5の「問題」となります。そこで必要な単語は、「すべて5文字」であり、なるべくなら「名詞」であり、かつ、WELLCOMEの最初の文字「W」なら、5文字のど真ん中が「W」になる名詞となります。

そんな言葉、あるのでしょうか。

辞書を順番に見ていく?

大変です。頭の中の英文を調べる?

大変です。

そこで、もう一度、日常英会話の本や外国人観光客の「おもてなし」をするための英会話集をつぶさにチェックし、「5文字の名詞」を書き出します。そして、ど真ん中の文字を「ABC」の純なならべると、謎解きクロス5×5の、英語版辞書ができます。

実は、日本語の場合も、同じように「辞書」が基本。事前に「あいうえお」順に、使えそうな言葉を集めておくのです。

すると、たいていの単語は、そこから引いてくることができます。

これが、謎解きクロス入門で紹介される「つくりかた」になります。

 

謎解きクロス開発物語<9>

謎解きクロスによるミステリーウォークの原点は、1982年秋に行われた「黄金を探せ」という角川春樹氏の企画・運営したビッグイベントにありました。

あの年、何があったのか。

いずれ、小説にするネタなので、肩透かしですみませんが、ここでは書けません。お金になるネタなんです。

私たちは、黄金はゲットできませんでしたが、角川春樹氏から、なかなか入手ができなかった、発酵されたばかりの500円銀貨を10枚、いただきました。口止め料でした。

20年くらい前、九段下のフレンチの店で、角川春樹氏の隣のテーブルで食事をしました。たまたま、なんですが、何番目か忘れましたが、若い奥さんと一緒でした。あれだけ、破天荒な企画を進め、世間を騒がせたのですから、何人もの女性と結婚し、別れ、そしてまた恋をするのも、まあ、いいのでは。薬物中毒も、自己責任ということで、私は、そんなものかなぁと思って、観ていました。

さて、ベルタルべに戻ります。角川氏が「黄金を探せ」を世に出す前年、1981年に、ちょっとした事件がありました。スポーツ新聞に「代々木公園で100万円がみつかる」との記事。暗号を解いたら、100万円が埋めてある場所がわかり、そこに行ったら缶に入った100万円があったというのです。

その翌週、「第二弾」が、同じくスポーツ新聞に出ました。暗号文とイラストと、100万円の争奪戦に参加する方法がでていました。暗号の本を2000円(3000円かも)で購入すれば、発見できる確率が高まるとのこと。

私は、その本を書い、研究しました。そして、東十条の飲み屋に行って、高校時代の友人を呼び出し、チームを組んで宝探しに出たのです。

宝のある場所は、東京とは限りません。関東地方にあるということです。ただ、暗号を解いてみると、「哲学堂に埋まる宝あり」という文章ができました。真夜中に、富士通に勤めている友人を呼び、4人で探索に出ました。30mくらい測れるメジャーと方位磁石、穴を掘るシャベルを持った4人組は、哲学堂のグランド周辺にある照明塔を起点として、掘る位置を決めました。夢中で掘っていると、見回りの警察官が二人、立っていました。

「何をしているんですか?」

「死体を埋めているわけじゃありません。宝物を探しているのです」

「こんなところを、掘ってはダメでしょう」

「確かに。ご説明しましょう」

私は、交番まで同行し、スポーツ新聞や暗号ブックを見せて、

「これは、実際にある街を使ったゲームなんです」

と説明をしました。当時の警察は、けっこう話がわかり、

「それは楽しそうですね。穴を掘ってもいいですが、なるべく元通りに埋め直しておいてください」

朝が来ました。

とうとう、100万円は出てきませんでした。

それから15年後、私は、このゲームの仕掛け人と仕事をすることになります。ビックリしました。

「本を売るためのプロモーションだった」

とのこと。私は、すべてヤラセだと思っていましたが、最初の100万円はヤラセだったけれど、2回目の暗号問題は、

「群馬県の、とある観光地(伊香保)に隠したが、誰も発見できず、回収した」

ということを聞きました。

そんなことがあった後の、「黄金を探せ」だったのです。

謎解きクロス開発物語<8>

謎解きクロスの原点をさかのぼれば、1982年、角川春樹氏が大藪春彦を担ぎ出して謎解きを仕掛けた「黄金を探せ!」にたどり着きます。

たぶん、秋。新500円銀貨が発行されるというタイミングでした。朝日新聞の全面を使って「黄金を探せ!」という告知がなされました。

そこには、暗号が出ています。記憶もうすれているので、ちょっと端折りますが、暗号を解くと「ベルタルべ」となります。このベルタルべは、シンブンシのような「回文」となっていました。

葉書に「ベルタルべ」と書いて角川書店の事務局に送ると、「黄金を探せ」というイベントへの招待状が来ました。ある日曜日、10時に山手線に乗りなさいという指示。

仲間を募って、探索の準備をして乗り込むと、ラジオの周波数が、中刷り広告に記してあります。それに合わせると、ラジオの広告。それをヒントにして、解答を「大井競馬場」と解いた私たち4人は、ちょうど目黒あたりにいたので、品川に出て、京浜東北で大井競馬場駅で降りました。

まだ、50人くらいしか集まっていませんでした。そこで問題を受け取り、都会の街を、地図を読み解き、暗号を読み解いて歩きます。

街歩きをしながら、ヒントポイントにたどり着き、そこでヒントをゲットして、謎解きをして、次に進む。そうです。謎解きクロスによるミステリーウォークと同じ仕掛けを、角川春樹氏のチームが、1982年に、すでに実現していたのです。

まず、大きな暗号文を解き、それから10カ所くらい歩いて、細かい暗号を解きます。すると、新宿にできたばかりのアルタ前に、15時に集まれという解答でした。あとでわかったのですが、大井町競馬場で問題を受け取った人が10万人。そのうち、謎解きをしてアルタ前に集まったのが3万人。もちろん、新宿は東口のみならず、西口も、黄金を求める豆探偵であふれていました。

嫌な予感がしました。たぶん、アルタ前は黒山の人だかり。ヒントは、大きなビジョンから出されるに決まっていますが、それを群衆の中で観ていては、次のリアクションがとれません。きっと。

そこで、ヤマを張りました。理由はわからないけれど、電車に乗ることになるから、なるべく改札口の近くにいたほうが有利です。アルタのビジョンが観られる位置に陣取り、双眼鏡をのぞきながら、15時を待ちました。

と、60秒くらいのCMが流れます。私が目視した内容を、仲間が必死に書き取ります。すぐに謎は解けません。しかし私は「小田急線だ」と気づき、仲間三人に声をかけました。「走るぞ。ついてきて!」

小田急線の急行に飛び乗り、社内で、アルタで提示された暗号を解きました。とある駅で降りると、バスが停まっていました。すでに1台めのバスは、出てしまったとの説明がありました。バスには、ぎゅうぎゅうにつまって、100人くらい乗れるようです。整理券を受け取って、バスに乗りました。たしか、120番くらいだったと思います。

このときも、嫌な予感がしました。私たちは、他の誰よりも早く、小田急線に乗り込んだはずです。しかも、急行でした。私たちよりも早く着く電車はありません。それなのに、すでに100人も、黄金を探せというイベント会場に向かっているというのです。

とっても嫌な予感がしました。

バスが、もう一台、やってきました。ということは、300人で、2000万円の黄金の争奪戦が始まるのです。

イベント会場に行くと、テレビで見知っている、あの角川春樹氏が、待っていました。そこで、報告を受けました。角川氏は、マイクを取って、こんなことを語りました。

「みなさん、おめでとう。今、みなさんがたどり着いた駅には、3万人の参加者が集まって、パニックになっています。彼らには、もう黄金を探す権利がありません。黄金は、100万円を20本用意して、あの竹藪の敷地にかくしてあります。これから、ここに集まってきた300人で、黄金の争奪戦を行ないます。そこで、お願いです。本来、あの竹藪には20本の金の延べ棒が埋まっていましたが、そのうち2本を、今、小田急線の駅に集まってパニックを起こしているみなさんへの、敗者復活戦の賞品として使わせてください。いいですね」

そうしないと、パニックが収まらないのでしょう。私たちは、これから始まる金の延べ棒の争奪戦のことでアタマがいっぱいで、誰も、文句をいうこともなく、次の指示を待ちました。

私の近くにいたグループは、金属探知機を持参していました。金の延べ棒を、その道具で発見しようというのです。角川氏は、こういいました。

「さて、ルールを説明しましょう。竹藪には、整理番号順に、入ってもらいます。すなわち、番号の早いほうが有利です。また、ここには300人が集まっていますが、100人ずつ、制限時間20分で、探してもらいます。それぞれの100人に対して、6本の金の延べ棒が割り振られます。6本、すべて発見されたら、その100人は終了となり、次の100人に、竹藪に入ってもらいます」

やっぱり。金属探知機をもってくるべきだったか、と考えていたときに、角川氏は、こういいました。

「ところで、100万円の金の延べ棒ですが、さすがに、本物を竹藪に隠すわけにはいきません。そこで、同じ大きさ、形の、木でできた棒切れを隠します。それを見つけてください。あとで、金の延べ棒と交換します」

そうです。金属探知機が使えなかったのです。あちこちで、落胆の声。でも、それは、竹藪の中に入っていく、最初の100人の怒号でかきけされました。なぜかしら、黄金を探しに竹藪に入った参加者たちは、「オー!」という叫び声をあげて走りまわっていたのです。

そこで、私が目撃したものは、本当に、驚くべきことでした。

それは、あまりにも凄い出来事だったことが理由かは定かではありませんが、今では、誰も伝承していません。ネットにも、何の痕跡も残っていないのです。

生き証人は、ここにいます。

次回、私が目撃したドラマについて、ご紹介しましょう。

 

 

 

 

歴史が動きます

謎解きクロスは、本日から、新しいフェーズに入りました。

ひな祭りの日は、謎解きクロスの記念日です。

詳しくは、明日、またアップします。

具体的に、一つ。謎解きクロスは、いよいよ、英語バージョンの開発に入ったのです。

お楽しみに!

謎解きクロス開発物語<7>

謎解きクロスは、ミステリーウォークの問題を作成するときに、「誰も死なない」ことによる興味関心の欠如を補い、本格推理小説のように「謎解きの楽しさ」を際立たせることを目的として、生まれました。

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2008年の秋に、赤坂サカスで行われたミステリーウォークの実証実験では、赤坂という文字をローマ字にしたときにAKASAKAと、たまたまローマ字の回文となっていたことから、謎解きのベースを作りました。

これは、これなりに評価は高く、ローマ字の回文だったとわかったときには「凄い!」という絶賛の声も多々、いただきました。それで、ローマ字の回文になる言葉の「辞書」をつくり、これでミステリーウォークの小冊子をシリーズ化できると、大いに期待したのです。

シリーズ化に際しては、一つ、工夫をしました。

実は、ミステリーの小冊子の原稿は、最初は放送作家の源高志さんに書いてもらっていました。伊豆下田では、小冊子までいかなかったので、私が書いたのですが、翌年に実施した西小山ミステリーツアー(当初はツアーと呼んでいました)では、源さんと二人で西小山を取材し(すなわち昼間から飲み歩き)原稿を委託していたのです。

しかし、よくよく考えると、AKASAKAなどのローマ字回文を使った謎解きと、ミステリー小冊子がリンクしていません。ミステリーも、ローマ字回文で進められたほうが、楽しいはず。

そう考えて、2010年からは、ローマ字回文を使った謎解きのミステリーウォークがスタートしたのです。それが、前にふれましたが、かつうらビッグひな祭りでの「クロスワードパズルを使った謎解き」につながるのです。

そして、私がミステリーの原稿を書くときに、いくつか、決めたことがあります。私は、ビジネス書は30冊ほど書かせていただきましたが、小説では「いつも予選落ち」という、さみしい人生をへてきた人間。たぶん20回くらい応募して、一次予選通過が数回あるくらいで、結果がついてこなかった。ジャンルは純文学からエンターテインメントまで。

もっとも、たとえばキャッチコピーとか、兵庫とか、アイデアとか、ショートショートのようなものは、逆に常連といえるくらい、絶賛されていたりもしました。ただ、小説の壁が高く、厚く、いつも門前払い。

でも、ミステリーについては、何となく「書ける」という自信がありました。というのもトリックや謎解きについては、アイデアが無尽蔵にわいてくるからです。ほとんどが、すでに世に出ているものを、自分の脳だけで作り出したケースなんですが、1000に3つくらい、オリジナルのアイデアもありました。実用新案登録をしたことも、二十歳のころですが、ありました。若気の至りでもあったのですが。

ちょっと脱線しました。

私が「誰も死なないミステリー」を書くとしたら、こうしようという決め事がありました。

①舞台は、日本橋の雑居ビルにある「探偵@ホームズ事務所」です。

②いつも、スタートは「大変だ~」から始まり、仮眠をとっていた池野所長を、助手が揺り起こすところから始まります。

③謎解きのパターンは、いつも一緒。最初は「ローマ字の回文」でしたが、「クロスワードを解く」という謎解きになり、これからつくるミステリーはすべて「謎解きクロス」のパターンとなります。

そうです。私はミステリー作家ではありません。そういう人間が、小説を書くのですから、これまで発表されてきた、どんなミステリーとも被らない、オリジナリティが必要となります。

今、日本に推理作家は約500人。そのうち、小説を発表することで食べていける推理作家は1割の50人といわれています。そのみなさんの経済基盤をゆるがすのは、本意ではありません。そのみなさんにも、大いに活躍してほしい。ただ、小説という世界、業界は、明らかに、血で血を洗うレッドオーシャン。

私は、本業はコンセプトデザインの制作。すなわち新規事業開発専門のコンサルタントをしているのですが、新規の場合は、レッドオーシャンは勧めません。まだ、だれも踏み込んだことのない、ブルーオーシャンに漕ぎ出していくことを勧めるのです。そのときに、コンセプトデザインが重要になります。

謎解きクロスは、ブルーオーシャンに進む、コンセプトデザインなのです。

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私の書くミステリーは、今までの推理作家さんが書かなかった、地域に根差した物語です。だから、地域活性化に役立つのです。

その特長は、さらに加えれば、こうなります。

④実在する地域と、そこで生きるリアルな商店街などがモチーフとなります。容疑者も実在すれば、真犯人も実在します。ただ、誰も死なないミステリーなので、容疑者は地域活性化を推進する人ですし、真犯人は、とってもいい人になっています。

⑤謎解きの解答は、地域のみなさんが決めることができます。謎解きクロスは、当然ながら「解答」から問題を作成するわけですが、その「解答」を、地域のみなさんが決められるという仕掛けが、当然ながら、このモデルの最高の利点なのです。

ということで、謎解きクロスによるミステリーウォークでは、出だしはいつも、こんな感じで進みます。

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ある晴れた日の昼下がり。

「大変だ! 池野所長、これを見てください!」

という叫び声が上がった。

そこは東京の日本橋にある雑居ビルの一室。玄関には『探偵@ホームズ』という看板がかかっている。

もっとも探偵といっても、その事務所では殺人などの凶悪事件や、夫婦ゲンカなどのややこしい出来事を調べることはしない。彼らの専門は文化や歴史、自然、人間の魅力が失われたという難事件を解決することだ。

「また、解答@ルパンから挑戦状がきています!」

アルバイトの伊藤君は、所長に封書を見せた。

「これは、確かに解答@ルパンのメッセージだ」

便箋には胡蝶【蘭(らん)】(縦3)のマークが押されていた。それは解答@ルパンのメッセージが本物であることを証明している。二人は、無二の親友なのである。

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登場人物には、途中から「解答@ルパン」も入ってきました。これは、やはり謎解きを楽しくするための仕掛けです。

さて、ここまで書いてきたことが、謎解きクロスによる「ミステリーウォーク」の、おおまかな歴史と、その考え方となります。

ところが、この謎解きクロスの開発物語は、ここで終わりません。なぜなら、ミステリーウォークを出自としている謎解きクロスなんですが、これまで誰もアプローチしてこなかったブルーオーシャンの世界ゆえに、ミステリーウォークを離れて、謎解きクロスそのものが、一人立ちできる可能性に気付いたからです。

その物語は、2年前の冬、高円寺で福田さんに会ったことから始まります。そう、この謎解きクロスのサイトを作成してくれている、ふくちゃんです。

つづきは、また次回に。