出し惜しみせず、夏目漱石「こころ」の、最初のところを謎解きクロスにしてあるので、一気に公開しておきます。謎解きクロスのファンのみなさま、ぜひ、チャレンジしてみてください。
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出し惜しみせず、夏目漱石「こころ」の、最初のところを謎解きクロスにしてあるので、一気に公開しておきます。謎解きクロスのファンのみなさま、ぜひ、チャレンジしてみてください。
そろそろ、正月気分も薄れてきました。2018年の冒頭、謎解きクロス元年にあたって、少し語らせてください。
今、謎解きがブームとなっています。もともとパズルやミステリーが大好きなみなさんからは「今頃?」という感じだと思いますが、書店に行けば謎解きコーナーがあり、脳トレも併設されていて、そこそこに売れています。
ベストセラーもでています。私は多胡輝さんの「頭の体操」で育った世代なので、新たなパズルの本、謎解きの本は、とっても懐かしいと思いながら、楽しんでいます。
で、昨日。JUNKDOU池袋店に行きました(一度行くと数万円が飛んでいくので、なるべく月に1回くらいにしているのですが、ついつい買ってしまいます。アマゾンで買っていた本を、うっかり買うことも、当たり前にあります)
だいたい3時間ほどいて(棚の変更をしている最中だったので本は半分くらいしかなかったのですが)100冊ほどの本をチェック。そのうち、今回のテーマは脳トレとパズルで、半数の50冊ほどチェックしたと思います。
そこで気づいたのが、謎解きクロスには世界観があるということです。
新しいジャンルの本が登場するときには、必ず、世界観がともないます。クロスワードパズルがでたとき、数独がでたとき、もっというとミステリーの新ジャンルがでたときにも、そこに世界観があると広がり、深まり、複数の作家が追随し、そして根付くことになります。
では、この謎解きクロスの世界観は、どういうものなのでしょうか。
まず、「5×5」「7×7」「9×9」と3種類のフレームがあり、それぞれターゲットと展開が異なっていることがあげられます。これについては、後ほど、再びふれたいと思います。
次に、クロスワードパズルをベースにしながら、似て非なるものとなっていることが挙げられます。もともと、クロスワードパズルは「短い説明の文章(なぞなぞに当たる)」からキーワードの「言葉」を探すものでした。そこが数独のような論理パズルとの違いです。言葉なので「右脳型」といっていいかと思います。
謎解きクロスには、通常のクロスワードパズルにはない特長があります。まず、文章のなかにある「言葉」を使うことです。クロスワードパズルで考えなければならないはずの「言葉」が、すでに提示されているのです。
その言葉を、ジグゾーパズルのように、すでに確定している「謎解きクロス7×7」や「謎解きクロス9×9」のフレームに、はめ込んでいきます。それが完成したときの達成感が、けっこう高いパズルなんです。フレームが左右対称になっているのも、ジグゾーパズルを完成させたときの達成感と通じるものがあります。美しい!のです。これは、少し論理的な思考が必要となりますので、「左脳型」ということになります。
すなわち、謎解きクロスは「右脳型」と「左脳型」の、バランスよい「脳トレ」になっているところが特長なのです。
さらに、クロスワードパズルやジグゾーパズルが「屋内型」「室内型」のペンシルパズル(鉛筆ひとつで解けるパズル)であるのに対して、謎解きクロスは、その出自がミステリーウォークということから推察されるように、現実のリアルな場所で行われるイベントと関係できる強みがあります。
さて、冒頭で書きましたが、謎解きクロスには「5×5」「7×7」「9×9」と3通りありますが、それぞれ難易度が異なるとともに、その展開方法が異なっていることが、その世界観を表しています。
■謎解きクロス5×5 → ミステリーウォーク 謎解きカフェ 脳トレ本の発刊
■謎解きクロス7×7 → ミステリーの小冊子 謎解きカフェ パズル本の発刊
■謎解きクロス9×9 → ミステリーの小冊子(オリジナル本の発刊)
このすべてが、謎解きクロスで展開できます。その背景には「人生は、けっこう楽しい」「捨てたもんじゃない」という世界観があります。
ミステリーウォークに参加された高齢者のみなさんが、謎解きクロス5×5を解いたときにみせる満面の笑み。小学生低学年の子どもさんが、一緒にまわっているお母さんがでてこない解答を発見して「スゴイ、天才ね!」と言われて大喜びをしている姿。これを実現できるツールの一つが謎解きクロスなのです。
謎解きクロスの世界観は、高齢者から子どもまで、ファミリー、カップル、パーソナル。みんなが右脳と左脳を使って、それぞれの楽しみ方で(ヒントがあれば全員が解ける!!!)「あ、面白い」「あ、できた」「へぇ、こうなるんだ」という達成感を得るというものです。みんなの笑顔が、謎解きクロスの世界を支えているのです。
今年、謎解きクロスはブレイクします。
2019年の冒頭に、ブレイクした謎解きクロスの新しい世界観について、語れることを願っている私です。
本年も、よろしくご指導ください。
謎解きクロスのファンのみなさま、お元気ですか?
今年、これまで謎解きクロスを応援してくださったみなさまに、謎解きクロス元年を迎えられた御礼として「2018年 謎解きクロス事始め」というタイトルで、謎解きクロス9×9の問題を贈呈させていただきました。
※ちなみに、解いて正解にたどりついた方から、こんな感想をいただきました。冒頭に紹介させていただきます。
「良く考えたものだと感心しています。言葉のパズルであるとともに算数のパズルのようにも感じました。最初の七文字の縦横を間違えるとドツボに嵌まりますね。」
ドツボにはまったら、本サイトのトップにある「ニュース」に「謹賀新年」として「ヒント」を掲示していますので、それをご参集ください(でも、難しいです)
■謎解きクロス事始め■
■2018年の容疑者■
・宮本輝
・夏目漱石
・村上春樹
・谷崎潤一郎
・大沢在昌
ガラス窓から、雪化粧をした路地が見えた。コンビニの店員が雪掻きをしている。所長は熱い桜湯を飲み、ほっと息を吐いた。
そこは日本橋にある雑居ビルの一室、ドアに黒の文字で『探偵@ホームズ』と書かれた表札のある、小さな事務所である。
もっとも探偵といっても根掘り葉掘り男女の過去を調べることはしない。彼らの専門は、地域の文化や魅力が失われる原因を見極め、再生の方法を示唆することだ。
「容疑者は五人。みんな作家の人ですね」
その声は、近ごろめっきり女ぶりをあげてきた助手のふくちゃんである。
彼女は探偵協会から届いた賀詞交歓会のパンフレットを、所長に見せた。そこで行われる講演のレジュメには、二○一八年に運勢が良いという作家の名が記してあった。
「作家といっても画家ではなく小説家ですね。賞品はないけど、ドキドキします」
彼女はカフェオレを飲み、手作りのサブレを口にした。ちょっぴり刺戟的な香味のあと、深い旨みが感じられた。
「美味しい…五人の容疑者から真犯人を見つけられれば幸先の良いスタートが切れ最高の年になるそうですよ」
「五人か……誤認逮捕にならないよう慎重に考えよう。謎が解けたら家族を集め、真犯人を披露しよう」
どうやらふくちゃんは、今年も所長のダジャレによる疲労と戦うことになりそうだ。
ここで、少し解説をしておこう。
謎解きクロスは、廣川州伸が開発した新しいパズルのこと。謎を解くヒントが、文章の中に言葉の欠片として散らばっている。それを集め、ジグゾーパズルのように適所に埋め込んでいくと『キーワード』が浮き彫りになる。
それを使ったミステリー小説はキーワードから真犯人を見つけるゲームとなり、喫茶店で使えば謎解きカフェとしてマスターとお客とのコミュニケーションが進むことだろう。
今回の容疑者は宮本輝・夏目漱石・村上春樹・谷崎潤一郎・大沢在昌の五人となる。
永井荷風は入っていないしクオレを書いたイタリア王国のエドモンド・デ・アミーチスなどの外国人もいない。
話は変わるが、去年、所長は釣りをしたいと竿を買って伊東までクルマを飛ばした。残念ながら成果はなかったが、駅前の土産屋でアジや金目の干物を買って帰った。
それがきっかけで、所長は干物の魅力に目覚めた。ランチでは、定食屋でアジの開きを食べることが多くなった。
今年も定食屋で彼はアジを選び、レジで年賀としてレプリカの金貨と折紙で作った毬を結んだストラップをもらった。
夕方、降り続いた雪は霙(みぞれ)に変わった。所長は雨傘をさして銭湯に行き、あぶくの出るジェット風呂やサウナ風呂で英気を養う。かすかにさらし粉の臭いがしたが、あまり気にならなかった。
少したるんできた下腹も、新年を迎えた清廉な気持ちとともに、引き締まる気がした。
昨年の終わりから、今年の初めまで、約一週間、作家活動に専念していました。そして昨日から仕事始めとなったのですが、一つ、忘れていました。私は「週末作家」でした。ということは、仕事始めには、ちゃんと仕事があり、しかも原稿がたまっていたりするので、夜中まで仕事が終わらないということ。
そうです。この謎解きクロスは、私有末作家のたまものなので、自宅のパソコンでオペレーションしています。ですから、事務所のパソコンでは、さわれません。セキュリティの制約があり、別の仕事をさせていただいているオフィスでも、この謎解きクロスのサイトは、さわれないのです。
毎日、問題をアップするという企画は、かくして、1月3日までで終わりました。家に着いたのが、24時3分前。意味不明の言葉を記しておくことしかできませんでした。
以下の問題は、1月5日の問題となります。
◇1◇ だし□しみ×ぱい□にあ → □=
◇2◇ はつ□うで×ぷら□でる → □=
◇3◇ ふせ□かく×むか□かぜ → □=
◇4◇ こい□たき×ばす□いど → □=
◇5◇ かい□いし×あん□ーと → □=
◇6◇ さか□あみ×ふき□がし → □=
◇7◇ ねが□ごと×しが□せん → □=
◇8◇ した□らず×はか□おび → □=
◇9◇ ぶん□ざい×てん□いず → □=
◇10◇ まく□もと×ぺん□いと → □=
◇11◇ がん□どき×そら□よう → □=
◇12◇ ふく□かみ×うみ□おや → □=
※ちなみに、1月3日の解答は
いつもこころに ありがとう
でした。
謎解きクロスのファンのみなさま、お元気ですか?
私は、かつて「怒涛の1000通メール」を企画したことがあります。毎日1通、必ずメルマガを発刊するという苦行(?)でした。たしか、500通を超えたあたりで、仕事の関係もあって中断しました。志なかばでの挫折ではありましたが、毎日、世界が平和であることに、自分の時間が閉ざされていないことに感謝するようになりました。
さて、謎解きクロス。このブログも、できれば毎日のように更新したいと思っています。ただ、三日坊主になるかもしれません。何かを続けるということは、「毎日」という「時間」で自分を縛るのではなく、行動したいときにする、できないときには無理をしないで、兵器な丘をしてスル―し、翌日、また書き始めるという「いいかげんさ」が重要なのだと、たくさん生きてきた私は悟った気がしています。
そう、三日坊主を100回続ければ、1年で300通のブログが生まれます。そのなかで、謎解きクロスの問題は、きっと100問くらい含まれるのではないでしょうか。それはやがて、脳トレのテキストとして活用されることでしょう。
というわけで、2018年の1月3日の謎解きクロス5×5のテキストバージョンを提示させていただきます。
◇1◇ いわ□うた×みせ□ねん → □=
◇2◇ ひと□かま×いい□たえ → □=
◇3◇ かね□うけ×ころ□がえ → □=
◇4◇ はん□うき×とる□いし → □=
◇5◇ かん□うち×けい□ごと → □=
◇6◇ ここ□いき×えこ□じー → □=
◇7◇ ぴあ□すと×さう□ぶろ → □=
◇8◇ つき□かり×ほし□わび → □=
◇9◇ かわ□もの×あた□まえ → □=
◇10◇ ばい□えし×こい□たき → □=
◇11◇ こう□うぶ×やき□うふ → □=
◇12◇ さと□がし×ほし□どん → □=
※ちなみに、昨日の解答は「ことしもよろしく おねがいします」でした。
謎解きクロスのファンのみなさま、こんにちは。
新年は、物理的には、いつもの一日と変わりはないはずですが、心の在り方としては、やはり重いものがあります。何よりも、志を立て、目標を設定するのに、何かをスタートするのに、こんなにふさわしい時期はありません。ドストエフスキーは、何かを始めようと思うことができたら、すでに半分は終わっているというような名言を残しています(たぶん)。
今年、私の志は「謎解きクロスのブレイク」であり、具体的な展開としては、本サイトを、有効活用して、新しい市場を開拓していくことがあります。
というわけで、昨日に続いて、テキスト版の謎解きクロス5×5を提示しておきます。
◇1◇ かん□うち×あい□とば → □=
◇2◇ だい□かい×みな□まち → □=
◇3◇ いぶ□ぎん×もや□そば → □=
◇4◇ かね□うけ×ころ□がえ → □=
◇5◇ にち□うび×やお□ろず → □=
◇6◇ ここ□まち×えこ□じー → □=
◇7◇ かく□げい×かみ□ばい → □=
◇8◇ しめ□くり×よこ□へん → □=
◇9◇ かた□くぼ×いろ□とこ → □=
◇10◇ あさ□ぼう×なき□いり → □=
◇11◇ こい□たき×ばす□いど → □=
◇12◇ ぶた□うら×ほし□わび → □=
◇13◇ さが□もの×かく□げい → □=
◇14◇ すき□かぜ×ひざ□くら → □=
◇15◇ かた□かし×えき□とら → □=
※ちなみに、昨日の解答は「しんねん あけまして おめでとうございます」でした。
謎解きクロスファンのみなさま、お元気ですか?
私は、毎日、1時間の黄昏散歩を楽しむ習慣があります。その間、なぜかしら、必ず一つ、発見があります。黄昏の散歩は、天からアイデアが降りてくる時間です。
2018年の初歩きでは、懸案となっていた「メールマガジンで、テキストデータだけで謎解きクロス5×5を実現すること」について、降りてきました。
こんな感じです。
まず、□のなかに入る「共通の文字」を探します。
たとえば
◇1◇ さが□もの×おと□もの → □=
という問題があれば、「さが□もの」と「おと□もの」の共通に入る文字は「□=し」となります。というのも「さがしもの」「おとしもの」と、「□」に「し」が入れば、見知った5文字の単語になるからです。
同じように、次々と「□= 」に、文字を入れていきます。問題として、連なっている形で示せば、以下となるでしょう。ぜひ、チャレンジしてみてください。
◇1◇ さが□もの×おと□もの → □=
◇2◇ ぼた□ゆき×かれ□だー → □=
◇3◇ あさ□ぼう×ぬれ□ずみ → □=
◇4◇ みか□せい×めろ□ぱん → □=
◇5◇ いし□たま×ほし□かり → □=
◇6◇ なま□もの×へい□びわ → □=
◇7◇ つけ□つげ×すき□かぜ → □=
◇8◇ かみ□ばい×かく□ごと → □=
◇9◇ みす□りー×こん□すと → □=
◇10◇ とし□とこ×ほね□しみ → □=
◇11◇ する□いか×むし□がね → □=
◇12◇ あか□みー×ひき□もの → □=
◇13◇ だい□かい×ひす□りー → □=
◇14◇ さら□どん×くろ□にん → □=
◇15◇ ほり□たつ×たま□やき → □=
◇16◇ した□わり×やき□かな → □=
◇17◇ とら□ある×あら□がみ → □=
◇18◇ へそ□がり×いい□わし → □=
◇19◇ くり□たる×えき□たる → □=
謎解きクロスファンのみなさま、あけましておめでとうございます。
改めて、新しい年に出会えた慶びをお祝い申し上げます。本年も、よろしくお願い申し上げます。
さて、これから廣川州伸の年賀が届く方も、少ないのですが、おられると思います。実験的に、今年は「年賀状で問題を同封」して、このサイトで「ヒントを提示する」という黄金パターンにチャレンジします。
ヒントは、下記になります。問題は、前回にも提示していますが、謎解きクロス9×9のフレームが必要となります。よろしくお願いいたします。
【タテ3】金貨
【タテ4】あぶく
【タテ8】謎解きクロス
【タテ10】サウナ風呂
【タテ12】カフェオレ
【タテ14】霙(みぞれ)
【タテ15】下腹
【タテ21】開き
【タテ22】旨み
<ヨコ7>女ぶり
<ヨコ11>家族
<ヨコ13>香味
<ヨコ15>荷風
<ヨコ16>謎解きカフェ
<ヨコ17>サブレ
<ヨコ18>クオレ(小説の題名)
<ヨコ21>披露
<ヨコ24>ガラス窓
新年、あけましておめでとうございます。本年も、よろしくお願い申し上げます。
2018年の、最初の謎解きクロスを作成しました。
フレームは「謎解きクロス9×9」となっています。ヒントは、元旦の日の出以降に、改めてアップします。お楽しみに!
タイトル「謎解きクロス事始め」
■2018年の容疑者■
・宮本輝
・夏目漱石
・村上春樹
・谷崎潤一郎
・大沢在昌
ガラス窓から、雪化粧をした路地が見えた。コンビニの店員が雪掻きをしている。所長は熱い桜湯を飲み、ほっと息を吐いた。
そこは日本橋にある雑居ビルの一室、ドアに黒の文字で『探偵@ホームズ』と書かれた表札のある、小さな事務所である。
もっとも探偵といっても根掘り葉掘り男女の過去を調べることはしない。彼らの専門は、地域の文化や魅力が失われる原因を見極め、再生の方法を示唆することだ。
「容疑者は五人。みんな作家の人ですね」
その声は、近ごろめっきり女ぶりをあげてきた助手のふくちゃんである。
彼女は探偵協会から届いた賀詞交歓会のパンフレットを、所長に見せた。そこで行われる講演のレジュメには、二○一八年に運勢が良いという作家の名が記してあった。
「作家といっても画家ではなく小説家ですね。賞品はないけど、ドキドキします」
彼女はカフェオレを飲み、手作りのサブレを口にした。ちょっぴり刺戟的な香味のあと、深い旨みが感じられた。
「美味しい…五人の容疑者から真犯人を見つけられれば幸先の良いスタートが切れ最高の年になるそうですよ」
「五人か……誤認逮捕にならないよう慎重に考えよう。謎が解けたら家族を集め、真犯人を披露しよう」
どうやらふくちゃんは、今年も所長のダジャレによる疲労と戦うことになりそうだ。
ここで、少し解説をしておこう。
謎解きクロスは、廣川州伸が開発した新しいパズルのこと。謎を解くヒントが、文章の中に言葉の欠片として散らばっている。それを集め、ジグゾーパズルのように適所に埋め込んでいくと『キーワード』が浮き彫りになる。
それを使ったミステリー小説はキーワードから真犯人を見つけるゲームとなり、喫茶店で使えば謎解きカフェとしてマスターとお客とのコミュニケーションが進むことだろう。
今回の容疑者は宮本輝・夏目漱石・村上春樹・谷崎潤一郎・大沢在昌の五人となる。
永井荷風は入っていないしクオレを書いたイタリア王国のエドモンド・デ・アミーチスなどの外国人もいない。
話は変わるが、去年、所長は釣りをしたいと竿を買って伊東までクルマを飛ばした。残念ながら成果はなかったが、駅前の土産屋でアジや金目の干物を買って帰った。
それがきっかけで、所長は干物の魅力に目覚めた。ランチでは、定食屋でアジの開きを食べることが多くなった。
今年も定食屋で彼はアジを選び、レジで年賀としてレプリカの金貨と折紙で作った毬を結んだストラップをもらった。
夕方、降り続いた雪は霙(みぞれ)に変わった。所長は雨傘をさして銭湯に行き、あぶくの出るジェット風呂やサウナ風呂で英気を養う。かすかにさらし粉の臭いがしたが、あまり気にならなかった。
少したるんできた下腹も、新年を迎えた清廉な気持ちとともに、引き締まる気がした。
◆謎解きクロスの解き方
・謎解きクロスは言葉の欠片をクロスワードパズルのフレームに埋めていくパズルです。
・まず問題の文章を読んで、書体がゴシック(太字)の言葉に注目してください。
・クロスワードパズルの中心には7文字の言葉が入ります。その他の言葉は巻末にあるヒントを使って、少しずつ埋めていくと完成します。
※ABCDEのタイトルで小説を書いた者が真犯人です。
謎解きクロスのファンのみなさん、こんばんは。
確信はないのですが、謎解きの習性は、人間だけかもしれません。人間は、「なぜ」を問いかけ、その答えを探そうとします。そして、答えを探すプロセスを楽しみ、結果に達成感を覚えます。動物、たとえばライオンが狩りをするときに、謎解きをするような行動に出るとは、ちょっと考えられません。もちろん、どうやったら獲物をとらえ、生命を奪い、食糧にありつき、生命をつなぐことができるか、ということは「考えている」と思います。
でも、それは過去から未来に向かう直線的な思考であり、欲望とキッチリとリンクされているのではないでしょうか。欲望を満たす方法を考える。それは、きっと動物でもしていることと思うのです。ところが、一つのプロセスがみえたときに「なぜ」という問いかけをするのは、人間ならでは、という気がしています。
人間は、「なぜ」を問いかけることで「本質」にせまりました。一度失敗したことでも、「なぜ」と問いかけることで、次の失敗を回避する知恵が生まれます。
動物も、若いころには、いろいろ練習を積み、小さな失敗をたくさんしながら、大きくなり、狩りをするようになります。それができなければ、死んでしまいます。でも、狩りをするときに、何が食べられて何が食べられないものか、何が危険で何が安全なのか、それらを「謎」として設定し、それを解いて「答」を生み出すというアブローチはとらないのではないでしょうか。
残念ながら、ていうか幸運にも人間以外の動物になったことがない私は、動物たちが、本当は謎解きが大好きで、いつも謎解きをしている、という事実を知らないだけかもしれないという疑念を抱くことなく、「きっと動物に謎解きはない」と、決めつけています。ま、永遠に応えがわからない類の質問であり、謎解きになりますから、それもまたよしというところなのですが。
いずれにせよ、私たちは謎解きが大好きです。
そう生まれたことを、大須に喜びたいと思っています。