日ごろ、なじみの少ない皇室のみなさまの姿を、ひんぱんに拝見すると、改めて、平和な時期の日本に生まれ、育った自分の人生を感じて、心熱くなります。
地球の天候は病み、紛争の絶えない世界のなかで、いろいろな不満はあるのだろうけれど、こんなにも自然が美しく、戦いのない事由な国は、なかなか見当たらないのだと思います。
雅子さまの体調がおもわしくないときには、なんだか自分の友人のことのように心配になり、皇太子さまの「私が守ります」宣言には涙したことを思い出しますが、いま、晴れやかな笑顔で皇后さまとして太陽のような笑顔をみせてくれているところをみると、またまた、いい国に生まれたと、心が熱くなりました。
さて、国の形が、少し変わったことで、これから「変化の時代」も加速されることでしょう。変化の時代は、コンセプトの時代。平成は勉強の時代でしたが、私もいよいよ、ものづくりの人として、社会に出ていくことになります。
令和には、パズル小説を、たくさん書きましょう。その前に、このGWは、令和の時代に求められる「寓話」を50本、書きたいと思っています。だから、カンヅメになっています。わーい。
たとえば、こんな寓話です。
隣り合う二つの村があった。
ネウサギ村には、才能があり自由に生きる村人が住み、ゼニガメ村にはコツコツと財産を築いた村人が住んでいた。
年に1回、ネウサギ村とゼニガメ村で合同の運動会が開かれた。レースは3種類。平坦な道の短距離走は、いつもネウサギの勝利となり、平坦だが池がある障害物競争は、スイスイ泳ぐゼニガメの勝利となった。
合同運動会のクライマックスは、短距離走と障害物競争に山越えを加えたトライアスロン。山登りはネウサギが得意だが、山下りは転がり落ちるゼニガメが有利で、いつもギリギリの勝負となった。
どちらの選手も、命がけで走った。
なぜならトライアスロンで負けた選手は殺され、神に献上するスープになるから。
しかし運動会を続けるうち、困った事態に陥っていた。 ネウサギ村もゼニガメ村も、勝負に勝つため毎年優秀なアスリートを送り込んだので、働き盛りの選手がスープにされ、村の活力が落ちていたのである。
その年。合同運動会のトライアスロンに勝ったのはネウサギだった。彼らの村は、来年以降も勝ち続けるだろう。負けたゼニガメ村は、今回より強い選手はいないので、永久に負け続ける。
ネウサギ村の長老が、天に願い出た。
「神様、負けたゼニガメを殺すのを一週間だけ待ってください。一週間後、ゼニガメのスープを越える料理をお持ちします」
「そのスープは、本当に美味しいのだな」
「はい。とても美味しいスープです」
「期限に間に合わなければ、ネウサギとゼニガメの両方を殺してスープにするぞ」 「かしこまりました」
ネウサギは、ゼニガメ村から預かったお金を持って、ナンデモ村に走った。
1週間後、ネウサギが最高のスープを献上することでゼニガメは生き残り、翌年の合同運動会でも名勝負が繰り広げられた。
この寓話には、続編があります。それは、またの機会に。