それが、本当の意味では、わかっていません。前例がないからです。歴史から、学ぶべきだとはわかっていても、明確なこと絵がないというのが、歴史の報せるところだから。
新しいことを自分で進めるというのは、本当に、しんどいことです。誰かが敷いてくれたレールにのり、守破離でまずは「学ぶこと」をしていた10代。それをもとに、何か新しいことを始められると信じていた20代。
とうとう自分の道を発見することができないまま、もう少し社会を、時代を研究しなくてはとビジネスの世界にとびこんだ30代。まずはビジネス書を書くことで、出版の世界への門を探した40代。
ビジネス書ではなく、文化的なテーマで、感性に訴える文芸書に近づいた50代。そして60代は、誰も手を出したことのなかった謎解きクロス®というパズルを発明し、それを使ってパズル小説®をスタートしました。
それぞれ、10年間ではなく、5年間で次の段階に進んでいたら、私はまだ40代で、元気いっぱい、パズル小説®を量産したことでしょう。しかし、もう、60代となっていました。
GWに、昔と同じように、ほぼ徹夜状態でパズル小説を捜索していたら、11週間でダウン。39度の熱がでて、頭にぽっかり、穴が開きました。それをリセットするのに、また1週間かかるのかもしれません。
これが、年を取るということなんですね。まいりました。
それでも、気が付けば、江戸川乱歩の小説をパズル小説®化できていました。まだまだ、捨てたものではありません。
私が、世の中にでるのに、他の作家よりも2倍の時間がかかったのは、市井の人間として、しっかり生活してきたから。家族もいて、子どもも育て、仕事でも、それなりに成功しました。
ただ、ものづくりに専念できたわけではなかったのです。
私の人生は、そういうものなんだと理解し、人の2倍、かかっても、必ず「世の中になかった新しい世界」を一つ、つくる。それを実現したいと思ってきました。
パズル小説®は、読者が全国でも1万人しかいないクオリティなのかもしれません。それは、私にも、よくわかりません。
未来は、秘密。
おわってみないと、結果が定まらないのです。ですから、たとえ回り道でも、進み続けるしかありません。
パズル小説®の可能性を信じて、このまま、いきましょう。いつか、ブレイクする日がくることを信じて。